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手術の結果は数十年後 責任と思いやりを胸に

手術の結果は数十年後 責任と思いやりを胸に

医療法人社団 西宮回生病院 福西 成男 院長(ふくにし・しげお)
1988年兵庫医科大学卒業、同整形外科入局。モントリオールシュライナーズ病院留学、
祐生病院整形外科、兵庫医科大学整形外科学講座准教授などを経て、2019年から現職。

 戦時中を描いたアニメ映画で建て替え前の病院の建物が描かれたほど、長い歴史を持つ西宮回生病院。2016年に全面的にリニューアルし、整形外科の特色を打ち出した。今年4月に就任した福西成男院長に、これまでの歩みと信念を聞いた。

手術のうまさに情熱を燃やしすぎていないか

 「最近の若い先生は…」に続いて厳しい言葉が出るかと思うと、「目標や向上心があってちゃんとしている。私が若かった頃とは全然違う」と笑うのは福西成男院長。「大好きな祖父が歯科医だった」という影響もあり医師にはなったが、具体的なイメージや目標はあまりなかったと話す。

 ただ、今日まで変わらないスタンスは「今日の手術が成功しても満足してはいけない。患者さんの20年後、30年後の身体に責任を持ちたい」。それを背中で教えてくれたのは、整形外科医としてスタートした当時の教授、立石博臣元兵庫医科大学教授だった。「手術後も患者さんを長期にわたってフォローアップする、その姿勢と責任感に感銘を受けました」

 福西院長も、若い医師には自身の背中を見せて「手術のうまさに情熱を燃やしすぎていないか」と言外に問いかける。「手術には患者さんの一生がかかっている。きれいごとではなく謙虚な優しさや思いやりが大切」。その根底にあるのは人の体にメスを入れることの責任感だ。

術後も責任を持つ

 兵庫医科大学整形外科学准教授から院長に就任したのは今年4月。1907年からの歴史を持つ西宮回生病院は、2013年に平成医療福祉グループの運営となり、その後、整形外科とリハビリテーションを中心とする病院として再スタートした。

 兵庫医科大学時代には、整形外科センターの立ち上げから携わっている。「近隣であり、急性期・回復期それぞれに強みを持つ病院の連携は双方にメリットがあります」。手術室の大きさ、CTナビゲーションシステムなど手術器具に至るまで大学と同じものがそろえられ、高度な手術が行える環境も整った。「ここなら自分のスタンスを変えずにやっていけると確信し、院長に就任しました」

 大学病院では退院後のリハビリテーションは、別病院への通院が必要だった。 「ここは100人以上のリハビリスタッフが在籍し、患者さんのニーズに合った体制が整えられている。大学にとっても安心して紹介できる受け入れ先ができたことは大きい。他科の専門性の高い病気を併発した際など、大学病院との強い連携は非常に心強いですね」

 リハビリ部門を中心に「患者さんが良くなることだけを考える」というグループの方針がしっかりと根付いている。さらに、グループの母体が大きく人材が豊富であることが大きな強みだ。

自ら楽しみ 楽しさを提供する

 院長に就任して4カ月。福西院長の専門である股関節や、専門の医師がいる膝関節に関してはリニューアル後の2年で認知されてきたが、「一般的な整形外科病院としての地域住民の認知度はまだまだ低いのが課題」と話し、地域医師会や開業医への営業活動などにも力を入れる。「これまでの大学人生とは違う仕事も、楽しいですよ」と笑う。

 整形外科医としてのやりがいは「患者さんが我慢していた旅行などを、また楽しんでいただけるようになること」。そして院長としては、「待遇面ももちろんだが、高度な医療レベルを保ちスタッフがやりがいをもって楽しく仕事ができる環境をつくることが役目」と話す。「私自身は年齢を重ねても、できる限り臨床も研究もやり続けたい。100歳になっても趣味のサッカーも楽しんでいたいですね」

医療法人社団 西宮回生病院
兵庫県西宮市大浜町1―4 ☎0798―33―0601(代表)
https://kaiseihp.jp/

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