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手を取り合い地域を支える

手を取り合い地域を支える

独立行政法人国立病院機構 愛媛医療センター
阿部 聖裕 院長 (あべ・まさひろ)
1986年愛媛大学医学部卒業。米イリノイ州立大学留学、愛媛大学医学部附属病院、
独立行政法人国立病院機構愛媛病院(現:愛媛医療センター)統括診療部長、
愛媛医療センター副院長などを経て、2021年から現職。


 「どうしたら周りの人が楽しくやりがいを持って働けるか、いつも考えています」と語る院長の阿部聖裕氏。「まずは自分が職員をできる限り支える」との思いで、組織を率いていく。


小寄り添うケア絶やさず受け継ぐ見出し

  愛媛県松山市から車で約30分の東温市にある愛媛医療センター。近隣の愛媛大学医学部附属病院や四国がんセンターとの連携をベースに、政策医療と地域医療を2本柱に掲げる。

 政策医療では結核、神経難病、重症心身障害の他、「ポストNICU」病床ではNICUでの治療後に退院が
難しい新生児を受け入れている。「国立療養所愛媛病院」時代の1996年に入職し、4月に院長に就任した阿部
氏は、「戦後、結核療養所の役割を担って長期入院の患者さんに寄り添い続けてきた伝統は、今も生きています」と語る。

 結核病床はこの25年で5分の1程度の20床に減り、稼働率は50〜60%で推移するが、依然として県内の中心的な役割を担う。阿部氏自身も呼吸器内科医として長年携わってきた。

 重症心身障害児(者)用のベッドは160床で、スタッフは生活支援や家族のサポートにも心を砕く。その働きぶりに敬意を表しつつ、「施設職員による障害者への虐待事案が度々報じられ、弱い立場の人への接し方が注目されていると感じます。自分はしっかりできているか、周囲にそういったことはないか、今後も定期的に振り返ることで質を維持していきます」と語る。一般病棟の職員も日頃からフォローする体制があり、それが組織全体の意識の向上に結び付いているという。


地域医療中枢担い連携深めたい
  
一般急性期を担いつつ、松山医療圏の2次救急輪番病院として救急医療にも携わり、地域医療を支えている。今後は、地域の医療機関と連携する上で、中心的な機関となることを目指す。所属する東温市医師会の事務所が院内にあり、今後、医師会や地域の医療機関とは、互いにメリットがあるかを重視しながら多方面で連携を深めていく。「患者さんが必要な時に必要な医療をスムーズに受けられるよう、複数の医療機関ですみ分けして診る体制をさらに強化したいと考えています」

 診療面の特色である心臓リハビリテーションにも注力する。「県内で専門チームを持つ施設は限られ、リーダーシップを持って活動しています。今は入院患者さんがメインですが、コロナ禍が落ち着いたら外来でのリハビリも増やしたいと考えています」


チーム医療のため医師が集う場創出

 多職種が働く病院で中心的役割を担うのは、医師に他ならないと考えている。そこで5月から始めたのが、各診療科の部長らを集めて月2回行う「ドクターミーティング」。自分たちの診療科は今、何をしたいのか、どう実現するか、何に困っているかについて、膝を突き合わせて話し合う場だ。

 複数の合併症がある高齢患者を横断的に診る場合にもメリットが大きいという。気になる症状を互いに把握することで対策が打ちやすくなるからで、「協働で診療するという意識があれば、医療の質や安全性の向上にもつながります」と話す。

 課題の一つである働き方改革については、「まずは上司が休むことが大事。休みをしっかり取るために他のスタッフに何を任せられるか常に意識するよう、伝えていきます」。

 これまで、先頭に立って統率するよりも部門ごとの調整を細かくするなどして陰ながら組織を支えてきた。今後も「どうしたら患者さんやスタッフが楽しく過ごせるか」を地道に追求する姿勢は変わらず貫いていく。



独立行政法人国立病院機構 愛媛医療センター
愛媛県東温市横河原366 ☎089-964-2411(代表)
https://ehime.hosp.go.jp/

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