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成人の心疾患中心に 独自の特色を

成人の心疾患中心に 独自の特色を

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科
外科学講座 心臓血管外科学分野

曽我 欣治 教授(そが・よしはる)
1991 年山口大学医学部卒業。
、近畿大学奈良病院、市立長浜病院、
小倉記念病院心臓血管外科主任部長などを経て、2021 年から現職。

 4月に教授に就任した曽我欣治氏は、心疾患のハイボリュームセンターなどでの経験を生かしながら、どのように講座を運営していくのだろうか。講座の方向性と今後の抱負を聞いた。



低侵襲治療 南九州の拠点に

 鹿児島大学病院は10月、心臓血管外科と心臓血管内科が協働して治療を行う「心血管病低侵襲治療センター」を開設した。同一機関で七つの治療法を提供する施設の開設は南九州で初めてという。副センター長を務める曽我氏が教授に就任したことで、小切開低侵襲心臓手術(MICS)を行う体制が整った。心臓血管内科とは共に経カテーテル大動脈弁置換術()などの治療を担う。

 「大学ならではの特色を出すために、心臓血管内科を中心に先進的な治療のラインアップをそろえてきましたが、10月からキックオフしたところです」

 医療の進歩や高度化で、心臓血管外科分野は細分化しつつあると捉えている。多くの手術が定型化された一方、大動脈疾患や心臓弁膜症については開胸・開腹手術に加えてカテーテル治療が導入されたことで、高齢の患者が治療を受けられる機会が増えた。

 「『切れる』外科医だけが必要な時代ではなくなった。外科的な手術と、内科と協働したカテーテル治療については、どちらか片方に長け、できれば両方できることが求められている」とした上で、「インフォームドコンセントの観点から考えると、双方の知識がある医師が公平な判断をして提案することが望ましい」と語る。そのために、患者に正確な情報提供ができ、最適な治療戦略を完遂できる後進の育成を目指す。

 前教授の専門だった小児の先天性心疾患は、成人の先天性心疾患が増加している現状を踏まえ、鹿児島市立病院に機能を移転し、診療を継続している。


自ら足運び地域の声を聞く

 就任まで鹿児島には縁がなかったという曽我氏。地域の医師たちと顔の見える関係性を構築するため、霧島市と薩摩川内市の病院で試験的に「出張外来」をスタートさせた。

 離島や交通アクセスが悪い地域もある中で緊急を要する心臓や血管を扱うことから、救急体制にも目配りは欠かせない。自分の足で関連病院やその地域を回ることで、地域の医師の思いや、大学病院に搬送する際の距離感をつかんでいるところだ。

 「まだ分からない部分も多いので、まずは地域の先生方の思いを聞かせていただきたいと思っています。大学に紹介するハードルが高いという話も聞くので、一つずつ障壁を取り除いていきたいですね」


一人一人を大切に 忍耐強く育成図る

 これまで、「妥協は外科医の敗北だ」という恩師の言葉を胸に、どんな状況でも最善を尽くすことを心掛けてきた。今後組織を率いる上で大切にしたいのは、「どんな人にも、必ず輝く場所がある」という考えだ。講座のメンバーがそれぞれ力を発揮できる分野を見いだすことを目指す。

 システムや人員体制が整ったハイボリュームセンターで修練を積んだ後、地方の公立病院に赴任した。手術件数が多くないため手術に不慣れなスタッフもおり、人員も不足気味だった。試行錯誤しながら一人一人に時間をかけて指導を続けた経験から、「忍耐強く人と接し、成長を待つ大切さを知った」と語る。今後の課題は、。10年の任期を前半、後半に区切り、前半では足固めとして現在在籍するメンバーが活躍して国内外に実績を発信することで、若い人材が集う講座を築き上げていく。

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 外科学講座 心臓血管外科学分野
鹿児島市桜ケ丘8-35-1 ☎099-275-5111(代表)
https://2ndsurg.com/

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