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慢性期の現場の充実のために

慢性期の現場の充実のために


院長(おおぐし・ふみたか)
1978年徳島大学医学部卒業。米国立衛生研究所呼吸器部門、徳島大学医学部助教授、
国立病院機構高知病院院長などを経て、2020年から現職。

 徳島県内各地で医療・介護施設を運営する医療法人博愛会。その一つ、徳島市の博愛記念病院は回復・慢性期医療を軸に、2次救急医療機関の役割も担う。大串文隆院長は、地域の「総合医療福祉センター」を目指し、自ら学ぶために、足しげく現場に通う。

「断らない医療」充実のリハビリに自信

 徳島市中心部から車で15分ほどの郊外に、博愛記念病院は建つ。内科系を中心に6診療科。210床のうち、回復期リハビリテーション病床が60床、地域包括ケア病床が53床を占める。「質の高い回復期、慢性期の医療サービスが強みです。『断らない医療』を掲げ、あらゆる状態の患者さんを受け入れるよう努めています」と、大串院長は強調する。

 医師、看護師、薬剤師、管理栄養士など、多分野の専門職たちがチームとなり、患者の在宅復帰を後押しする。「特に、リハビリテーションは力を入れてきました」。リハビリ部門には、理学療法士をはじめスタッフが総勢約80人。リハビリ支援ロボットを導入するなど、丁寧かつ最新の手法で患者の早期自立をサポートする。

急性期一筋から慢性期の現場へ

 自身はこれまで、呼吸器内科医として主に急性期病院で診療に当たってきた。例えば嚥下(えんげ)性肺炎の患者の場合、急性期の治療をし、嚥下リハビリにつなぐのが役割だった。「リハビリは労力がかかるが、大切な医療」。そんな認識を持っていたが、肌身で実感できる機会はなかった。

 前任の病院で定年を控え、旧知の間柄である博愛会の武久洋三理事長から、博愛記念病院の理念を聞くことが何度かあった。超高齢化が進む中で、地方都市の住民の暮らしを支えるための「患者本位の医療」の実践。心から共感できた。

 2020年4月、新院長として迎えられた。「医師として初心に戻り、一から勉強させてもらっているところです」

 リハビリや栄養指導などの現場に何度も足を運び、スタッフや患者に話を聞くよう努める。「未知」だったリハビリや栄養摂取などの医療知識を得られることはもちろん、スタッフと患者が「在宅復帰」へ向けて時間をかけて一緒に歩む現場に心を揺さぶられる。

 「『患者のための医療』という言葉を、より身近な感覚で理解できるようになりました」と語る。これまで身を置いた「畑」とは異なる分野で担う、病院のかじ取り。「置かれたところで一生懸命やるだけ。すべてが新鮮で楽しいですよ」

外来強化と業績評価 経験生かし貢献

 長年培った専門性と豊富な経験を生かした、病院への貢献も模索する。

 一つは、外来患者の獲得だ。病院は「好立地」とは言えないこともあり、外来患者の獲得が課題の一つとなっている。「特殊な疾患を診る力と、充実したリハビリ体制。その二つを強みに、外来患者の獲得につなげたいと考えています」。例えば大串院長の専門でもあるリウマチ、膠原病などの患者については、他の専門病院からの紹介を受け入れやすい流れを整えていく。

 もう一つは、活気ある病院づくり。提供する医療サービスの成果を「見える化」することを思い描く。「スタッフはみんな、驚くほど日々の仕事に熱心。ただ、目の前の仕事を続けるだけより、『自分たちの仕事はこんな風に成果を上げているんだ』と客観的に分かる方が、よりモチベーションが高まると思います」

 具体的には、評価の仕方が難しい慢性期医療の業績について、自院での臨床研究を進めて論文にまとめたいと考える。「仕事のやりがいはスタッフを生き生きとさせ、院内を明るくします」。院内の各所、地域の連携医療機関を巡る日々が続く。「何をするにも、まだ学ぶことばかりです」

医療法人平成博愛会 博愛記念病院
徳島市勝占町惣田9 ☎️088-669-2166(代表)
https://hakuaihp.jp/ 

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