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想像力で迅速に 経営改善の使命担う

想像力で迅速に 経営改善の使命担う

地方独立行政法人
北脇 城 理事長(きたわき・じょう)
1981年京都府立医科大学医学部卒業。社会保険京都病院(現:京都鞍馬口医療センター)
産婦人科部長、京都府立医科大学産婦人科学教室教授、
同大学附属病院病院長などを経て、2021年から現職。同大学名誉教授。


 独立行政法人に移行して1期4年が経過し、4月から2期目がスタートした市立大津市民病院の理事長に、北脇城氏が就任した。コロナ禍にありながらも経営改善を図るために、どのように組織をけん引していくのだろうか。


経営改善が急務 期待に応えたい

 大津市長から経営の健全化を託され、4月に理事長に就任した。30の診療科、439床を擁する中核病院の市立大津市民病院は、経営の効率化などを目的に2017年、独立行政法人に移行。北脇氏の就任と同じ21年4月から中期計画の第2期がスタートした。

 経常収支比率などの指標が盛り込まれた中期計画は、新型コロナウイルス感染症が拡大する前に策定された。滋賀県唯一の第1種感染症指定医療機関としての責務を果たしつつも、計画に沿って経営改善も果たさなければならないという難題に向き合っている。「これまで、置かれた場所で一生懸命やるしかないという思いでやってきた。経営手腕が問われ非常に難しいですが、期待に応えなければならないと思っています」 産婦人科医として手術や分娩(ぶんべん)があれば患者のもとに走って駆け付ける日々を長年送っていたが、理事長就任を機に白衣を脱いだ。臨床の現場から離れたことに「少し寂しさもあります」と笑顔で語る。

 同院の産婦人科は19年から分娩の取り扱いを休止している。医師不足が理由で、現在は非常勤の医師3人が外来を担当する。分娩の再開も成し遂げたい課題の一つで、再開できれば小児科など他の診療科の集患にもつながると捉えている。そのためにまず、婦人科部門の手術ができるように常勤の医師の確保を目指す。近隣の複数の医療機関に打診を続けており、「経営改善のためにも1日でも早く再開したい」と力を込める。


スピード感、想像力 新天地でも生かす

 京都府立医科大学産婦人科学教室教授だった20年3月、コロナに感染した妊婦を受け入れる体制をいち早く整えた。感染拡大の初期に、「感染した妊婦は帝王切開での出産となり、受け入れられる病院も限られるだろう」との先を見通す「想像力」が働いた。「スタンドプレーではないか」などと受け入れに否定的な周囲からの意見もあったが、説明を尽くすことで実現させた。

 市立大津市民病院でも、20年12月に設置されたコロナ患者に特化した「感染症ER」が稼働を続けており、「スピード感や使命感を持っているところが似ており、共感しています」と語る。


趣味にも全力投球 職員との対話重視

 10歳から続けているドラムは、ジャズクラブなどでプロと演奏する腕前だ。息抜きのためではなく、むしろうまくたたけないとストレスを感じてしまうほどだという。ドラムにストイックに向き合うようになったのは、京都府立医科大学の講師になった40歳ごろ。それまでは仕事に没頭していたが、仕事だけでなく趣味にも全力投球するとかみ合って両方がうまくいく、と実感した。

 多忙な理事長職の合間を縫って、専門である子宮内膜症の研究も継続。「なかなか手強い病気で、まだやり残したことがある」との思いで、同大学の教室の教え子に、ウェブ会議システムを活用して助言している。

 組織を率いる上で大切にしているのは、職員との「対話」。就任後、既存の会議に加えて週2回、院長・事務局長・看護局長らと経営の新しいアイデアをざっくばらんに交わす「運営ミーティング」を始めた。職員の意見や間病院の経営手法に関するノウハウも積極的に取り入れながら、これまで培ってきたスピード感と想像力が生かせる組織で、成果を出すために全力投球する。



地方独立行政法人
大津市本宮2-9-9 ☎077-522-4607(代表)
https://och.or.jp/

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