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情報開示・共有を徹底 あらゆる方策を講じ乗り切る

情報開示・共有を徹底  あらゆる方策を講じ乗り切る


井藤 久雄 院長(いとう・ひさお)

1974年広島大学医学部卒業。
呉共済病院、鳥取大学医学部器官病理学分野教授、同大学理事・副学長、
鳥取県立厚生病院院長・病理部長などを経て、2017年から現職。

 広島県東広島市は人口約19万人、広島大学のキャンパスがあり若い人が多い上、大都市である広島市に隣接し、油断できない状況が続いている。その中でどのような対策を行ってきたのか、井藤久雄院長に聞いた。

―コロナ禍での状況は。

 2020年は新型コロナウイルス感染症に振りまわされ、生活様式、院内外の活動に多様な変化が生じました。学会や研究会はオンライン参加となり、一度も県外へ出ていない状況です。

 4月以降、職員への徹底した情報開示・共有を意識しています。部署代表者会議を新規に立ち上げ、月に1〜2回、立ったままで集会、院外での最新情報伝達、院内で実施する対策の説明の徹底、特に現場からの提案や問題点の吸い上げに努めました。院外での会食自粛や3密の禁止、昼食の分散摂取、食堂へのアクリル板設置なども実施しました。

 入院患者への面会制限の適宜実施に始まり、12月以降は全面的に面会禁止、10月には発熱者外来診察室ユニットハウスを院外に2室設置。新型コロナウイルス抗原検査を院内で開始し、21年2月末までに109例中2例が陽性(陽性率1・8%)、外注PCR検査陽性例は116例中1例(0・9%)。インフルエンザ抗原検査は43例全て陰性、19年度同時期は105
1例中236例(22・5%)が陽性でした。

 井野口真吾理事長の配慮で、職員の努力と貢献に慰労したいと、特別定額給付金に先立ち、5月1日に慰労金5万円を全職員に配布することができました。

 広島県や県病院協会から新型コロナウイルス感染症回復者の受け入れを求められ、対応するための態勢も整えました。3月からは遅ればせながらPCR検査を院内で実施しています。

―医療経営での変化は。

 4〜7月には病床稼働率が前年比10%程度減少、外来患者数は15〜20%程度減少しました。特に5月は厳しく、病院収入は前年比約7%減少しました。8月からは入院、外来合計で、前年のレベルへ徐々に回復しつつあります。リハビリおよび介護事業部門は影響が最小限にとどまっています。

 マスクやガウンの不足は何とか乗り越えました。人材育成は19年度と同様のレベルで実施。幸い、医療職、特に看護師の離職率は例年を下回りました。

 広島県では21年1月中旬から新型コロナ感染者数は減少傾向にあり、この流れが続くと本院の医業収入は、19年度と比較して数%以内の減少にとどまりそうです。職員と危機意識を共有して対応したことが大きな要因です。機能が異なる4病棟間の連携、さらに本院と関連のある診療所を訪問して提携を深めました。

―今後の取り組みは。

発熱者外来診察室ユニットハウス

 1977年11月、手術中心の外科病院として始まり、救急医療、リハビリ、健診、地域医療を展開し、間口を広げてきました。現在は188床を有し、地域リハビリテーション支援センターの指定を受け、リハビリ・セラピストは約80人にもなります。介護部門の充実も図っており、在宅診療も開始。本院を退院した患者さんのADLを高めるために、リハビリに重点を置く通所介護施設を開設し、オンライン診療も計画しています。これらの取り組みを大切に、さらに深化を図っていきたいと思っています。

 しかし、本来の理念を実現する手術数が激減しました。コロナ終息後には、大学や基幹病院である東広島医療センターと連携を取りつつ、手術数の増加を目指し、まずは人材確保を最優先に取り組んでいきます。


広島県東広島市西条土与丸6―1―91
☎082―422―3711(代表)
https://www.inokuchi.or.jp/

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