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“患者第一”のために 医療の効率化を追求

“患者第一”のために 医療の効率化を追求

順天堂大学医学部附属順天堂医院
髙橋 和久 院長(たかはし・かずひさ)

1985年順天堂大学医学部卒業。
米マサチューセッツ総合病院留学、順天堂大学医学部呼吸器内科学講座教授、
同大学医学部附属順天堂医院副院長などを経て、2019年から現職。

 順天堂大学医学部附属病院は都内および埼玉県、千葉県、静岡県の6病院を擁する。その中で順天堂医院は、病床数1032床、1日外来患者数約4500人、病床稼働率95%以上という規模を持つ。2019年4月に就任した髙橋和久院長が取り組む、「Patient First(患者第一)」のための医療の効率化とは。

医療の効率化と救急医療の充実を

 私たちが重視しているのは、「Patient First(患者第一)」です。この基本理念を決して忘れることなく、特定機能病院としての、確実な医療安全のもと、高度で質の高い医療技術を提供する使命を果たすべく努力しています。

 具体的には、まず医療の効率化に取り組んでいます。当院の紹介率は約80%、逆紹介率も同等の78〜80%を誇っており、地域医療機関との連携が良好であることを示しています。しかし、この数字に甘んじることなく、さらなる病診連携・機能分化を進めていきます。 機能分化によって、外来患者数は減少しますが、一方で、患者さんが特定機能病院に求めている高度で先進的な医療を、一人ひとりに時間をかけて提供することが可能になります。

 救急医療の充実も重要です。「Patient First」だからこそ、患者さんが困っているときに、しっかり対応できる体制を整える必要があります。当院は2次救急が主体であり、救急要請を断ることはほとんどなく、積極的に受け入れる方針です。また、今年8月より院内救急車を導入しました。これにより、ベッド満床時に附属病院や関連病院への転送がスムーズになり、クリニックや近隣病院からの救急受け入れ時の使用も視野に入れています。

 外来・入院医療の効率化を図るため、2019年5月、B棟2階に入院支援センターと術前外来、歯科口腔外科を集約。入院における事務手続き、薬剤師による持参薬の管理、麻酔科による術前診療や歯科による口腔ケアなどを一つのフロアで効率よく行えるようになりました。これにより、術後合併症の発生率の減少、在院日数の短縮、医療費の削減などが可能になります。

先進医療やグローバル化にも対応

 高度な先進医療の提供として、手術支援ロボット(ダビンチ)の導入、手術室の拡充などを図っています。

 また、複数の専門医による集学的治療を行うセンターがいくつかあります。例えば、「足の疾患センター」は下肢の疾患について、各科専門医、フットケア指導士の資格を持つ看護師、リハビリスタッフなどがチームで治療に当たります。「脊椎脊髄センター」では、脳神経外科と整形外科が連携して外科治療を担います。こうした病気別の診療体制は、患者さんにも分かりやすいと思います。

 近年のグローバル化に対応すべく、当院では、2015年に病院機能評価であるJCI認証を取得し、2018年には更新審査もクリアしました。また、国際診療部を発足させ、国際水準の医療を提供する体制を整えています。

難治の肺がん治療にあえて挑戦したかった

 肺がんの薬物治療の進歩には目を見張るものがあります。分子標的薬が次々と登場し、その後、免疫チェックポイント阻害薬の登場が、肺がん治療にパラダイムシフトを起こしました。かつて、Ⅳ期の進行肺がんの治療は延命が目的でしたが、今では治癒も不可能ではない時代になっているのです。

 私が呼吸器内科医を志したのは、がんの中でも難治と言われた肺がん治療にあえて挑戦したかったから。このような画期的な治療法に出会うことができ、自分の選択は正しかったと確信しています。こうした経験を若い医師にも伝えていきたいと思います。

順天堂大学医学部附属順天堂医院
東京都文京区本郷3—1—3 ☎03—3813—3111(代表)
https://www.juntendo.ac.jp/hospital/

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