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患者中心の診療にまい進

患者中心の診療にまい進

福岡赤十字病院 腎臓内科
德本 正憲 部長(とくもと・まさのり)
1992 年九州大学医学部卒業。福岡赤十字病院、九州大学病院、
米ワシントン大学留学、福岡歯科大学総合医学講座内科学分野
講師、同准教授などを経て、2021 年から現職。


◎25年ぶりに再び着任

 4月に福岡赤十字病院の腎臓内科部長に就任しました。25年前にも約1年間、当院の腎臓内科に勤務していたことがあり、4半世紀ぶりに再び当院に帰ってくるという巡り合わせとなって、縁を感じています。

 元々、人の役に立っているのを肌で感じられる仕事をしたいと思い、医師の道を志しました。前回当院を退職してからは大学病院に勤務していたため、研究や教育に時間を割くことが多くなっていました。再び初心に返り、患者さん中心の診療にまい進する所存です。

 一人でできることは限られていますので、同僚や他科の先生方、看護師や臨床工学技士などのメディカルスタッフの方々の力をお借りしながら、これまでに得てきた知識や経験を生かして、患者さんの役に立てるように頑張りたいと思います。


◎多様な疾患に携わる

 当院の腎臓内科は、福岡市内の病院の中でも多くの腎臓内科医が常勤しており、腎臓内科の中核的な施設としての役割を果たしています。

 当科は腎臓病のあらゆる分野の診療を幅広く行っています。検尿異常や腎機能障害に対する腎生検を含めた診断やそれに基づいた治療に始まり、末期腎不全患者さんの腎代替療法である血液透析や腹膜透析のアクセス作成を含めた透析の導入をしています。

 さらに腹膜透析や腎移植患者さんの外来診療、透析アクセストラブルを中心とした血液透析や腹膜透析の合併症治療まで対応しています。
 
 近隣施設の先生方だけでなく、院内の他科の先生方からも数多くの腎疾患患者さんを紹介していただいています。紹介は非常に多く、全てを当科で診療させていただくのは困難です。そのため、高血圧や糖尿病、高脂血症などの通常診療は紹介元の先生に行っていただきながら併診して、必要に応じて治療変更や追加治療を依頼する形を取っています。

 また、血液透析や腹膜透析患者さんを含めた腎疾患患者さんの合併症については、数多くの他科の先生方にも加療していただいており、外科の先生方には腎移植も行っていただいています。

 その際も、透析や持続的血液ろ過透析(CHDF)、血漿(けっしょう)交換、血液吸着などの血液浄化療法は当科で行っており、さまざまな疾患の診療に携わっているのも当科の特徴です。


◎タンパク尿早期発見、治療の体制づくりを

 日本の腎代替療法は、他国に比べて治療成績が良く、生命予後も良好ですが、それでも健常者と比較すると生命予後は不良です。これは、透析患者さんだけでなく、保存期腎臓病患者さんにも該当し、腎機能が増悪すればするほど生命予後が悪化することが明らかになっています。

 腎機能の増悪に伴う生命予後悪化の主因として、心血管疾患が挙げられます。動脈硬化を進展させる高血圧や糖尿病、高脂血症、高尿酸血症だけでなく、腎疾患特有の合併症であるCKD―MBD(慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常)や腎性貧血も影響しているものと考えられています。これらの因子は腎機能障害の進展因子でもあるので、動脈硬化を進展させないように、高血圧や糖尿病、高脂血症、高尿酸血症などの治療を行うと同時に、CKD―MBDや腎性貧血の治療にも注力したいと思っています。

 腎機能障害の有無にかかわらず、タンパク尿があるだけで心血管合併症のリスクとなることも明らかになっています。タンパク尿は腎機能障害進展のリスクでもあります。

 現在、腎臓でも再生医療が盛んに研究されていますが、臨床応用されるまでにはまだ時間を要すると考えています。現状では悪くなった腎臓を元に戻すのは難しく、早期にタンパク尿を発見して原因を特定し、タンパク尿を減少させる治療を行うことが生命予後改善のためにも、腎機能障害の進展抑制のためにも最も大切です。

 今後はタンパク尿の早期発見、早期治療の体制づくりにも尽力していきたいと考えています。

福岡赤十字病院 腎臓内科
福岡市南区大楠3-1-1 ☎0570-03-1211(代表)
https://www.fukuoka-med.jrc.or.jp/

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