九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

患者一人ひとりに耳を傾け「笑顔の診療」を

患者一人ひとりに耳を傾け「笑顔の診療」を

医療法人  
院長(ねしげ・りゅうじ)

1980年山口大学医学部卒業。
佐賀医科大学(現:佐賀大学医学部)内科、
米クリーブランドクリニック(神経内科)留学、
柳川リハビリテーション病院副院長などを経て、
1999年から現職。久留米大学医学部臨床教授兼任。

 認知症ケアに大切なのが「笑顔だ」と語る、音成脳神経内科・内科クリニックの音成龍司院長。患者一人ひとりに耳を傾ける診療を大切に、さらには、子どもたちを対象にしたイベントの実行委員長を担うなど、精力的に活動している。

―診療の方針は。

 てんかんやパーキンソン病、そして認知症を中心に、県外からも患者さんが来られます。診療は、患者さんの話をしっかり聞くことで診断のほとんどが決まります。その診断を確かなものにするために、診察や検査をするのが脳神経内科医だと思っています。

 これまでの経験から、確信したのが「笑顔」の大切さです。「笑顔のパーキンソンラジオ体操」のDVDや「笑顔の認知症」といった本も出しています。

 診療においても、まず医療従事者が笑顔であれば、患者さんも笑顔になってくれます。医学的な知識や技量も大切ですが、笑顔もとても大切です。

 「病は気から」ではないのですが、笑うことで活性化するNK細胞には免疫力を高めるというデータがあります。NK細胞はがん細胞やインフルエンザに冒された細胞などの弱体化に効果があると言われ、うつ病の改善でも注目されています。うつ病の患者さんは認知症になりやすいこともあり、笑顔は本当に重要です。

 笑顔は、ご家族など患者のケアをする方にも有効です。1日の終わりに「今日は楽しかったね」と笑顔で語りかけることで、患者さんは安心して床につき、ご家族もやさしい気持ちで1日を終われます。疲れているからこそ、ご家族にも「笑顔を大切にね」と声を掛けるようにしています。

―街全体を巻き込んだイベントに関わっています。

 2013年から「子どものための体験・まなび型イベント Dr.BUNBUN(ドクター・ブンブン)」というイベントに、実行委員長として関わっています。

 このイベントは、医療関係者だけでなく警察官や消防士、職人など、さまざまな業種のドクター(マスター)の「おしごと」や「まなび」を子どもたちに体験してもらうものです。2019年で第7回目を迎え、毎回、お子さんや保護者を含めて5000人ほどの参加があります。

 「子ども医学部」という公開講座が毎年人気で、当日券もありますが、事前予約になっています。

 2019年度は11月10日に開催され、1時間目は「子どもと認知症のおじさんの物語」というタイトルで私が講義を担当しました。2時間目は、久留米大学医学部や聖マリア病院、JCHO久留米総合病院、新古賀病院など、さまざまな診療科の医師たちがボランティアで、授業を担当しました。

 産婦人科医が妊婦さんの本物のエコー画像を子どもたちに見せたり、医師の指導で腹腔鏡手術の練習をしたり、すべて本物にこだわっています。

 もともと私はパーキンソン病や認知症など大人の疾患に関わってきました。しかし、その大人を支えるのは子どもたち。そんな子どもたちが仕事体験や学びを通じて、社会に貢献する大人になってもらいたいと思います。

―今後は。

 私の診療スタイルである「笑顔の診療」を広く伝えていきたいと思います。「ドクター・ブンブン」のみならず、公民館やデイケアなどの講演においても、笑顔の大切さ、必要性を広めていきます。

 最近、フランス発祥の「ユマニチュード」というケア・メソッドが注目されています。スキンシップや目線を合わせるといった「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4要素が認知症ケアに有効とされているのですが、私はここに「笑顔」をプラスしたいと思っています。

 同じことをするのであれば、嫌な顔でやるより、笑顔でやるほうがいい。笑顔は誰にでもできる治療法なのです。

医療法人 音成脳神経内科・内科クリニック
福岡県久留米市中央町38―17
☎0942―36―6855(代表)

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram has returned invalid data.

コメントはこちらから

メニューを閉じる