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患者ファーストで 緩和ケア推進

患者ファーストで 緩和ケア推進

沖縄徳洲会 南部徳洲会病院
服部 真己 院長(さいとう・まさき)

1999年大阪市立大学医学部卒業。
南部徳洲会病院、岐阜中央病院(現:岐阜清流病院)、
ちくさセントラルクリニックなどを経て、2021年から現職。

救急の現場から 緩和ケアの道へ

 初期研修医として2001年、南部徳洲会病院に入職した。医学部生時代に参加した病院説明会で、同院の医師に「うちに来ないか」と誘われたのがきっかけだった。当時は救急に関心があり、徳洲会の高度救急医療を学びたいと思っていた。「初めての沖縄だ」と半ば旅行気分で病院見学へ。そこで見たことが、自身の医師人生を決定付けることとなった。

 「患者さんのために一生懸命な先生ばかりで感動しました。標準語が苦手なお年寄りに沖縄の方言で語りかけたり、海外の論文を読みあさる勉強家だったり。『こんな医者になりたい』というイメージが湧いたのです。患者さんの笑顔が多いのも印象的でした」

 他の病院には見向きもせず、研修先を南部徳洲会病院に決めた。以後9年間、同院の総合内科に勤務し、医師として必要な知識や技術を磨いた。

 救急の現場では多くの患者をみとった。そのたびに無力感に襲われ、申し訳ない気持ちに駆られた。何かできることはないか―。そう模索していたところ、「緩和ケアマニュアル」(淀川キリスト教病院著)に出合う。それが終末期医療に進む転機となった。

全ての患者の苦しみ和らげる

 「緩和ケアマニュアル」には、欲しかった情報や知識が詰まっていた。「医師は病気を治療することでしか安心を提供できない」と思い込んでいたが、「緩和ケアのスキルがあれば、手の施しようのない患者さんの不安も取り除ける。痛みに苦しむ全ての患者さんに役立つ」ことが分かった。「トランプでいうジョーカーのような、何にでも使えるすごいカードを手にしたような気持ちになりました」と振り返る。

 緩和ケアをしっかり学び、その分野で働こうと、終末期医療に力を入れていた岐阜中央病院(現:岐阜清流病院)へ。ホスピス医として3年間、さらに高齢者施設の訪問診療医として1年間勤めた。

 経験を積む中で、目の前の患者の痛みを取り除き、不安を和らげることは、止血や酸素濃度の維持など、救急で行われることと本質は変わらないと実感した。

頑張る職員・患者にふさわしい院長に

 縁あって南部徳洲会病院に戻り、15年に副院長、21年4月に院長に就任した。がん治療の充実を目指し、20年には「切らずに治す」放射線治療装置「サイバーナイフ」を沖縄で初めて導入。トモセラピーの治療成績も向上している。17年には緩和ケア医を招聘(しょうへい)し、がんサポートチームを発足。予防や早期発見に向け、健診センターを拡充し、特に内視鏡検査を強化していくことも計画中だ。

 一方、新型コロナウイルス感染症の猛威で地域医療が逼迫(ひっぱく)し、中等症患者を担当していた同院でも重症患者を受け入れるように。満床の状態が続き、先の読めない状況だが、救急に強い同院ならではの機動力と、チームワークで日々対応している。

 コロナ患者以外のがん患者らに不利益が発生しないよう、なるべく早く本来の診療体制を取り戻したいと考えている。

 そして、救急の現場で緩和ケアを実践する。国内外の先例をもとに、3~5年かけて緩和ケアの精神を浸透させる考えだ。

 「どんなときも患者ファースト。常にそれを体現し、頑張ってくれる職員、患者さんにふさわしい院長でありたいと思っています」



沖縄徳洲会 南部徳洲会病院
沖縄県八重瀬町外間171-1 
☎098-998-3221(代表)
https://www.nantoku.org/

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