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患者さん中心の地域連携 あたたかな信頼のおける医療

患者さん中心の地域連携 あたたかな信頼のおける医療

綜合病院 山口赤十字病院
病院長(すえかね・ひろし)

1984年九州大学医学部卒業。
福岡赤十字病院、川崎医科大学消化器2内科(現:消化管内科学)講師、
山口赤十字病院第一内科部長、同副院長などを経て、2020年から現職。

 当院は1920年(大正9年)に山口県病院を日本赤十字社が譲り受け、日本赤十字社山口支部病院として発足しました。

 その後、戦中・戦後の混乱期を乗り越え、1958年(昭和33年)に現在の名称である「綜合病院山口赤十字病院」へ改称し、2020年に100周年を迎えました。

 この間、人道・博愛の赤十字精神のもと、地域医療活動や看護師の育成、社会福祉活動、災害救護活動などを行ってきました。これも地域の皆さまや地域医師会の先生方をはじめとする各関係機関のご理解と、ご支援のたまものと厚く御礼申し上げます。

 私も、この記念すべき節目の年を新たな出発点と捉え、病院の未来を導いていく責務をさらに強く自分に課したいと思っております。

 現在当院は山口県中央部から北部、そして島根県西部にまたがる医療圏の基幹病院として、年間1万件近い救急医療を含めた幅の広い急性期医療を提供し、地域周産期母子医療センター・小児救急医療拠点病院として周産期医療・小児医療や緩和ケアを含めたがん診療に力を入れています。

 医療・介護を巡っては、2025年問題へ対応するために、地域医療構想が策定され、各関係施設はその構想への対応を求められています。当院は今後も各診療科の機能を結集して、山口県の将来を担う子どもたちを守る周産期医療や小児医療を含めた、幅広い急性期総合病院の道を歩みたいと考えています。

 今年は、新型コロナウイルス(COVID―19)の世界的猛威に伴い「医療崩壊」という言葉が横行し、患者クラスターが多発した大都市近郊のみならず、地方にもその波が押し寄せています。この未曾有(みぞう)の医療危機は、患者受け入れ態勢のみならず病院経営にも及んでいます。

 感染拡大のリスクや不安により患者さんが受診を控え、ひとたび発生すれば最低2週間は新規診療中止の恐れがあり、(高リスク症例の治療延期、緊急以外の手術延期など)院内感染予防策に伴う診療の縮小を余儀なくされています。

 当院でもCOVID―19対策として、発熱を有する患者さんが院内へ入らないよう病院出入口の職員配置や貼り紙により可能な限り注意喚起を行い、発熱患者さんに対しては、院内に設置した「発熱者対応外来」で全科協力のもと発熱トリアージを行っております。他にも毎週COVID対策会議を開催し、新型コロナウイルス感染者専用病床を立ち上げたり、情報集約のためCOVID対策本部を設置したりしています。

 新型コロナウイルス感染症患者を直接受け入れている病院のみならず、受け入れ体制を整えて待機している病院においても、入院収益が4月より悪化しており、多くの病院が立ち直れないような経営危機にひんしています。

 今回の新型コロナウイルス感染症対策は地域医療機関の総力を結集して取り組む課題であり、病床の削減をうたう国や行政には、非常事態に備えたリスク管理・安全策としての余裕を持った病床確保の重要性を理解いただきたいものです。

 最後になりますが、当院には「患者さん中心の地域連携に取り組み、あたたかな信頼のおける医療の提供」という理念があります。これは、あたたかく優しく親切にという心を大切に地域の皆さまに信頼される、より安全で質の高い医療を提供したいという私どもの気持ちを表したものです。

 今後とも、地域にふさわしい病院の機能分化・連携を推進するため、かかりつけ医の先生や回復期・慢性期を担当される病院、介護施設や訪問看護ステーションとの連携が、ますます大切になります。地域のみんなで手を取り合い、患者さんに継ぎ目のない安心な医療・介護を提供できるように努力を続けます。今後とも一層のお力添えをお願い申し上げます。


山口市八幡馬場53-1 ☎️083-923-0111(代表)
http://www.yamaguchi-redcross.jp/

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