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患者さん一人一人の人生に寄り添ったがん治療を

患者さん一人一人の人生に寄り添ったがん治療を

地方独立行政法人 長崎市立病院機構 長崎みなとメディカルセンター がん診療統括センター
峯 孝志 センター長(みね・たかし)

1992年久留米大学医学部卒業。
同大学病院がん集学治療センター准教授・副センター長などを経て、2013年から現職。
2014年長崎大学大学院地域包括ケア学講座(連携講座)教授を兼任。

 長崎みなとメディカルセンターは、長崎県の南部に位置する「地域がん診療連携拠点病院」。拠点病院として、「地域の医療機関と協働し、質の高いがん診療を実現したい」と、峯孝志がん診療統括センター長は語る。

―がん診療統括センターの役割は。

 がん診療において、多分野の専門スタッフが連携することは欠かせません。スタッフが各々の関わりで治療を行うのでは対応は困難です。がん診療に携わるスタッフの連携を強め、さまざまな課題を組織的に解決していくため、2016年にがん診療統括センターを設置しました。

 がん診療統括センターは、院長直属の部門で、その下に、緩和ケア・化学療法・放射線療法・がん相談支援・がん連携パス・研究研修・がん登録担当を配しています。これらは長崎県内の拠点病院が参加するがん診療連携協議会のワーキンググループに対応し活動しています。

 拠点病院である当院は、当然ながら国が進めるがん診療の基本理念を体現することが大きな使命です。そのため、がん診療統括センターを中心に質の高い診療を提供する体制や設備を整えるとともに、地域におけるがん診療に対する啓発活動や正しい情報の提供、地域の医療機関との連携も進めています。

 例えば、がん診療に対する啓発活動や正しい情報の提供のため、一般市民向けの講座や講演会、地域の医療機関・従事者を対象にした研修会など、さまざまな取り組みをセンターで計画的に実施しています。

 そのほか、毎週開催している「キャンサーカンファレンス」では原発不明がん、難治性がん、重複がんなど、診断・治療が難しい症例について複数分野のスタッフで検討しています。当院の症例だけでなく、地域の医療機関からも参加、症例提示・検討も行います。

 第2期がん対策推進基本計画から注目されている就労支援については、仕事を続ける工夫を一緒に考えるほか、離職後の再就職を希望する方、治療と仕事を両立したい方のために、昨年度からはハローワークと連携し、就労支援に関する体制も強化整備しました。

 これらを含むさまざまな活動に取り組み、国の方針にのっとって、地域のがん診療の充実に努めています。

―みなとメディカルセンターのがん診療の特徴について。

 当院の最も特徴的ながん治療の一つが、2014年に導入された高精度がん放射線治療装置「サイバーナイフ」による放射線治療です。これはがん病変に対して放射線をピンポイントで照射するもので、肺などの呼吸で動く臓器にも動きを追尾して集中・限局的に照射することができます。頭蓋内病変(脳腫瘍、脳転移など)、頭頸部がん、肺がん、肝がん、前立腺がん、腎がんなどを対象としています。年々治療症例も増え、2018年度には年間180件を超えています。

 この装置は、高い治療効果を有します。従来の放射線治療では効果が見込めなかったがん種に対しても、効果が望めるようになりました。がん治療には、手術、薬物療法、放射線治療、免疫治療などさまざまなアプローチがありますが、サイバーナイフを導入したことで、より患者さんに最適な治療法を提案できるようになったことは当院の大きな強みとなっています。

―今後の抱負は。

 がん治療は1回の治療で完結するものではなく、患者さんによっては長くがんと付き合いながら、治療と生活を続けていかなければなりません。がん治療をしながらもその人らしい生き方ができるように支援することが重要です。

 そのために、さらに医療の質を高めるとともに、連携を強め、地域に根ざしたがん診療に取り組みます。今後も患者さんの人生に寄り添った医療を心がけていきたいと思います。

地方独立行政法人 長崎市立病院機構 長崎みなとメディカルセンター
長崎市新地町6―39
☎095―822―3251(代表)
http://shibyo.nmh.jp/

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