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患者さんのためにフットワーク軽く

患者さんのためにフットワーク軽く

鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 ・膠原病内科学分野
石塚 賢治 教授(いしつか・けんじ)

1988年鹿児島大学医学部卒業。
米ダナ・ファーバー癌研究所リサーチフェロー、
福岡大学病院腫瘍・・感染症内科准教授などを経て、2015年から現職。

 「鹿児島の血液内科は一つ」―。鹿児島大学大学院医歯学総合研究科血液・膠原病内科学分野の石塚賢治教授は、少し控えめに、でもうれしそうに、そう語る。就任6年目。後進の教育に力を注ぎ、県内の診療体制充実に注力してきた。

─就任以降を振り返って。

 5年の間に一番うれしかったのは、就任当初15人ほどだった医局に13人が加わり、2倍近くの人数に増えたこと。診療できる患者さんの数も増えました。

 そのために特別な何かをしてきたわけではなく、とにかくフットワーク軽く動くことを意識してきました。例えば、これまでは入院患者さんが他の診療科の外来を受診する時には、通常の外来患者さんと同様の流れで予約を取り、受診していました。

 でも、例えば入院している患者さんに不調があったら、担当すると思われる診療科の医師に相談し、外来前に必要な検査をしてから受診してもらったほうが、患者さんにとっても病院側にとっても無駄がない。他科からの診療予約が入った患者さんも、必要に応じて、事前に私たちから検査の提案などを行うことを目指しています。

 学生や、前期・後期研修で回ってくる他診療科の医師にも、「患者さんのためにフットワークよく」と言い続けてきました。そのスタンスを理解し、共感して入局してくれているのであればうれしいですね。

 また、とにかく広い視野を持つよう伝えています。鹿児島大学は地元出身の人が多く、地元愛が強い。その強みを生かしながら、広い全国、あるいは世界も見ようと。グローバルな視野で医療、医学を考えることが大事だと訴えています。

─人材確保・育成の先に見据えるものは。

 人が増えれば、できることが格段に増えます。まずは診療体制の整備。患者さんを診察するスキルも十分についており、良い方向に進んできたと思っています。

 その先に臨床研究の充実があり、その次に基礎研究があります。現在はそのステップの途中。これまで私たちの研究の中心であったATL(成人T細胞白血病・リンパ腫)以外の分野にも目を向けようという流れができてきています。

 余裕がなければ試験管を振る時間は取れませんが、人が増えることによってその時間を確保できます。グローバルな視野を持ちながら、高いレベルを求めていければ良いと思っています。製薬会社の治験も多く受けることができるようになり、第1相試験もすでにいくつか実施していることは、一つの評価だと思っています。

 若い医師に言われてうれしかった言葉があります。「そこまで頑張らなくてもいい」とねぎらったら、「先生を喜ばせようと思って患者さんを診ているわけではありません」と。患者さんのためにそれほど頑張ってくれる仲間と歩めることが誇りです。

─県内全域の将来像は。

 この講座は、もともと難治ウイルス病態制御研究センターという基礎研究を主体とする講座でした。2009年に大学病院での血液・膠原病内科としての診療が本格的に始まりました。

 多くの先生が協力してくださって、「鹿児島の血液内科は一つ」と言える状況になりつつあります。もちろん、膠原病内科部門も同じです。この連携をさらに強めていきたいですね。

 現在は教授のほか副病院長、県医師会の理事も拝命しています。県と医師会と大学が地域医療を個々に考えるのではなく、大局的に同じ目標を立てて同じテーブルで議論を深められる仕組みが必要。その橋渡し役をしたいと考えています。現在は、総論が共有できてこれから具現化しようとしている段階。各論の実務者レベルで本当に患者さんの目線に立ち、10年、20年先の未来を見ていくように詰めていく必要があると考えています。

鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 ・膠原病内科学分野
鹿児島市桜ケ丘8―35―1
☎099―275―5111(代表)
http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~k-blood/

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