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患者、職員、住民の健康を守り地域と共に歩む

患者、職員、住民の健康を守り地域と共に歩む

公益社団法人山梨勤労者医療協会 甲府共立病院
院長(こにし・としゆき)

1990年山梨医科大学(現:山梨大学医学部)卒業。
巨摩共立病院、石和共立病院などを経て、2014年甲府共立病院副院長、
2017年から現職。

 甲府共立病院は、1955年、3人の職員と募金によって甲府診療所として開設された「住民立」の医療機関である。65年たった現在でも病院と地域住民との結束は固い。2017年からは健康増進活動拠点病院(HPH)として患者や職員、住民の健康増進・疾患予防を推進する役割も担う。地域と共に歩むことへの思いと、今後の展望について小西利幸院長に聞いた。

―病院の特色について教ええてください。

 当院は、創設時まだ誰もが貧しく医療の制度が不十分だった時代であったことから、「貧富の差によって生命の尊さが差別されてはならない」という基本理念を掲げてきました。

 その実践として生活困難な方に対しては「無料低額診療事業」や「差額ベッド料をいただかない」といった取り組みを積極的に行っています。

 病院に来られる患者さんをみな平等に扱う。これは当院の一貫した理念です。

 2次救急指定の医療機関として、2018年度は3981台の救急車を受け入れました。中でも心疾患、消化管出血については最終受け入れを行っており、山梨県のメディカルコントロール協議会指定の病院の一つでもあります。救急から慢性期に至るまで幅広い疾患を診ると共に、地域のセーフティーネットとしての役割も果たしています。

―取り組みについて教えてください。

 「患者さん、職員、地域の人びとが幸せになる病院」が当院のモットーです。

 その一環として、患者の健康だけでなく医療スタッフや地域住民に対しても保健衛生活動を行う日本HPHネットワークに2017年から加盟。地域の方に向けたヘルスプロモーション活動に取り組んでいます。健康相談会や、健康に関する勉強会の開催など、疾患予防の啓発に努めています。

 また、職員の健康増進のためにリハビリテーション設備を開放し、フィットネス施設のように利用してもらっています。患者さんが利用していないわずかな時間に限ってですが、職員からは好評ですね。体を動かすだけでなく、職員同士のコミュニケーションの増進にも一役買っているようです。

 もう一つ、大切にしていることは地域住民と病院との連携です。ここには1960年代から「甲府健康友の会」という共同組織があります。これは、病院と患者さんとがパートナーになり、健康増進活動や地域活動を進めていくという組織です。

 現在会員数は約7000世帯。ボランティア活動やサークル活動に精を出しています。地域の人たちを孤独にさせない取り組みとなっています。

─今後は。

 甲府市の高齢化率は2017年のデータで28%を超えており、全国平均を上回っています。今後の超高齢化に対応できるよう、開業医の先生、ケアマネジャーの方々と密にコミュニケーションを取りながら、地域全体で高齢化問題を考えていきたいと思っています。具体的には開業医の先生方への訪問や、医療従事者向けに課題解決を促す勉強会などを実施していきたいですね。

 患者さんにとっての「健康」は、身体的なものだけではありません。体に疾患がなかったとしても、貧困や孤立といった環境に置かれていれば、本当に幸せとは言えません。体の健康だけでなく、精神面の健康までを考える「社会的処方」がますます重要になってくるのではないでしょうか。

 私たちは患者さんの家庭環境や生活、地域までを見通した上で、患者さんにとっての「本当の健康」を提供できればと考えています。「地域に責任を持つ」という意識で、患者さんが安心して過ごせる町づくりを、医療の視点から進めていきたいと思います。


山梨県甲府市宝1―9―1
☎055―226―3131(代表)
http://www.yamanashi-min.jp/kofukyouritsu/

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