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急性期知る強みを回復期リハに生かす

急性期知る強みを回復期リハに生かす

医療法人大平会 嶺井第一病院
石川 智司 院長(いしかわ・ともじ)

1994年琉球大学医学部卒業。同脳神経外科、浦添総合病院、沖縄赤十字病院、
那覇市立病院などを経て、2017年から現職。

 脳卒中患者の回復期リハビリテーション、脳ドックの普及に力を入れる医療法人大平会嶺井第一病院。脳血管疾患を早期に発見し、高度急性期病院へとつなげるゲートキーパーとして、また、急性期の治療を終えた患者のQOL向上を担う受け皿としての役割も果たしている。

―貴院の地域での役割と強みは。

 脳神経外科を柱とする当院は、開設から間もなく45年。受け入れた患者さんを診断して、高度・急性期の医療を提供する病院へとつなぐこと、急性期の治療を終えた方を受け入れて、在宅復帰を目指したリハビリを提供すること、この二つが主な役割です。

 3テスラMRIと1・5テスラMRI、マルチスライスCT、脳血流シンチグラフィーなどの診断機器をそろえ、経験豊富な放射線診断医が読影を担当する「診断力」が強みの一つ。診断は、リハビリによって期待できる機能回復の程度や後遺症の予測、リハビリ計画の作成にも役立ちます。

 脳神経外科医としていくつもの急性期病院を回ってきた私の経験も生かしています。培ってきた人脈と、個々の病院の強みやそれぞれの脳神経外科医が得意とする治療法といった知識が、患者さんの病状に合った病院を選択して紹介することにつながっていると感じています。

―脳ドックにも力を入れていますね。

 脳卒中に関する沖縄県内の問題の一つは、全国と比較して脳出血の割合が高く、特に30〜60代の患者が目立つこと。県民の肥満率が高いことに加え、検診率が低いことも背景にあると考えられており、生活習慣病の管理と脳ドックの促進が脳出血防止において鍵を握っています。

 当院では脳ドックを気軽に受けてもらえるよう、料金を税込み2万1000円に設定。企業などの理解も進み、定期的に脳ドックを受診する方が増えています。

 新型コロナウイルス感染症での受診控えは、他病院同様当院でも、健診部門を含むさまざまな範囲で起きています。当院では、抗原検査とPCR検査を実施。PCR検査についてはこれまで外部委託していましたが、2021年春から院内で実施できるようにし、検査当日に結果が出るようになりました。安心して受診いただけるよう態勢を整え、疾患の早期発見、早期治療が維持できるよう努力していきたいと考えています。

―今後は。

 急性期病院との連携をさらに強め、脳卒中の治療を県内で完結できる体制を整えることが、われわれの役目です。これからの時代は、病院同士で競争し合うのではなく、役割を分担し、強みを生かして協力し合う、協調の時代。「顔の見える連携」を大事にしていきたいですね。

 例えば、コロナ以前、急性期病院に入院している脳卒中患者さんが当院に紹介されることが決まると、転院前のリハビリ回診に、私も参加させてもらっていました。患者さんの状態を見ながら、急性期病院の担当医師と直接話をすることで、当院へ移った後のリハビリも円滑に開始できていたと思います。

 コロナの感染拡大を抑制する狙いもあって現在は難しくなっていますが、コロナ収束後、速やかに再開したいことの一つです。

 現状の回復期リハビリを推し進めながら、若手医師の確保にも力を注ぎたいと思います。高齢化による高齢患者の増加によって、合併症がある患者への対応力強化が、回復期の病院でも求められています。

 当院には現在、、脳神経内科、整形外科、総合内科の医師がいますが、さらに広い範囲の疾患に対応できる人材を確保する必要があります。若手医師が活躍できる場になるよう、院内の環境を整えていきたいと思います。

医療法人大平会 嶺井第一病院
沖縄県浦添市大平466
☎︎098―877―5806(代表)
https://ohirakai.or.jp/minei-hospital/

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