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急性期から自宅復帰まで地域に寄り添った医療を

急性期から自宅復帰まで地域に寄り添った医療を

医療法人誠和会 和田病院
和田 徹也 理事長・院長(わだ・てつや)

1973年鹿児島大学医学部卒業。
同附属病院、宮崎医科大学(現:宮崎大学医学部)附属病院などを経て、
1987年和田病院院長、1996年から現職。

 宮崎県北部の日向市と、門川町、椎葉村など山間部の東臼杵郡を範囲に含む日向入郷医療圏。医療法人誠和会和田病院は、急性期から退院後の支援までを担い、70年余年にわたり、この地の医療を支えてきた。地域の人々に寄り添う医療とはどうあるべきか、和田徹也理事長・院長に聞いた。

─長年にわたり、この地域の医療を支えています。

 脳神経外科を中心に、急性期、、慢性期など複数の機能を持つケアミックス病院です。この日向入郷医療圏は、椎葉村など山間部の過疎地域が多く含まれており、鉄道や高速道路などの交通インフラも発達していません。

 そのため、地域の医療を機能別に分担するという地域医療構想の考え方とは相反する事情があります。私たちは「一度入院したら同じ病院で在宅復帰まで診てほしい」という患者さんの願いに応える医療を展開してきました。

 高齢者、脳神経外科に関する疾患については、24時間365日、救急患者を受け入れています。特に、高齢者に多い脳卒中については、2019年9月に日本脳卒中学会から「一次脳卒中センター」の認定を受けました。ここでは専門の医師が常駐し、患者搬入後、可及的速やかに診療(rt─PA静注療法を含む)を開始できるなど、専門性の高い治療に取り組んでいます。

 また、消化管出血に対する内視鏡治療や緊急透析などにも対応。「地域の救急病院」として機能できるよう努めています。

 父である初代理事長が戦後、地域に医師が少ない時代に、患者さんを助けたいと24時間対応での医療を始めたことが原点になっている病院です。自宅が一緒になっていたので、急患が来ると、患者さんの父を呼ぶ声が聞こえてきて、夜中によく起こされたものです。地域の人々によって育てられた病院であると実感しています。

─入院から自宅復帰まで支援されています。

 リハビリに関しては、施設全体で理学療法士28人、作業療法士14人、言語療法士6人が在籍。急性期での治療が終わった患者さんに対して、回復期リハビリ、退院後の訪問リハビリまで一貫した支援体制を整えています。また、リハビリスタッフが各地に出向き、介護予防教室なども開催しています。

 退院後の患者さんのサポートとして、介護老人保健施設や居宅介護支援事業所も運営。退院後の生活については、地域連携室で、患者さんやご家族の悩み、不安に耳を傾け、地域の医療機関とも連携を取りながら、できる限りの支援を続けています。

 さらに、より病院について理解していただこうと、中高生対象の職場体験・インターンシップの受け入れ、ふれあい看護体験などにも参加しています。

 地域医療を支える医療機関として、日本医療機能評価機構からも認定をいただいます。この水準を、今後もしっかりと維持していきたいと思います。

─今後の展望は。

 地域に寄り添った医療を維持するためには、職員自身が意欲を持って取り組む必要があると考え、2020年から幹部研修会を設置しました。

 人口減少やますます厳しくなる医療制度の中、地域で「選ばれる病院」、「輝く組織」とはどういうものか。医療の質や安全性、利用しやすさなど、多角的な視点から意見を交わしています。

 研修会のテーマの一つがが、・福祉従事者の人材確保です。人員不足を補うために、ICTなどの導入、海外人材の採用などを前向きに考えています。地域における将来的な人口構造も予測しながら、地域の患者さんたちに寄り添った医療とは何か、将来的なビジョンをしっかりと示していかなければと思います。

医療法人誠和会 和田病院
宮崎県日向市向江町1―196―1
☎0982─52─0011(代表)
https://wada-hosp.or.jp/

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