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急性期から回復期まで継続した医療を提供

急性期から回復期まで継続した医療を提供

  大上  仁志 院長(おおかみ・ひとし)
1983年自治医科大学医学部卒業、1996年同大学大学院医学研究科卒業。
同大学整形外科学教室講師、日光市民病院などを経て、2003年から現職。

 JR宇都宮線の石橋駅から車で15分ほど走ると、田園地帯の中に新上三川病院が見えてくる。新上三川病院は、急性期病棟(38床)と回復期リハビリテーション病棟(171床)を有しており、回復期リハの病床数は北関東一を誇る。地域に根差した医療を目指す同院の特徴、取り組みを紹介する。

―病院の特徴について。

 かつて当院は整形外科の単科病院でしたが、2011年、巨樹の会グループに加わったことを機に回復期リハ病棟を併設しました。

 現在は、整形外科手術を要する方に対し、急性期から慢性期まで継続した医療を提供できる環境になりました。医療者側としては、一貫した医療内容を提供できるメリットがあり、患者さん側も同じ環境で治療を続けられることは大きな安心につながります。これが、当院の大きな特徴です。

 他の急性期病院から当院の回復期リハ病棟に転院した患者さんに対しても、整形外科治療が必要と判断した場合は、当院の整形外科医が診療に当たります。

 急性期病棟の患者さんは、関節疾患による手術が最も多く、そのほかに骨折、脊椎関連の手術を受けた方が入院しています。

 手術後は、1週間ほどで回復期リハ病棟に移ります。例えば、全人工膝関節置換の手術を受けた方が決まったプロトコルに従って進んだ場合、多くが約1カ月で退院できます。全人工膝関節置換術については、近年の高齢者の増加などもあり、当院の手術件数は年々増えています。最近では、90代への手術も珍しくなくなりました。

 高齢者の場合、術後に不穏になったり、認知機能障害に陥る可能性が高くなるという問題があります。そのため、手術や予後などに関して、患者さんやご家族へのインフォームドコンセントがより重要となります。

 手術を選択してもしなくても、「当院に相談してよかった」と思っていただけることが重要であり、そのためにも日頃から誠実に対応していくことを心掛けています。

 当院の回復期リハ病棟には、近隣の急性期病院から転院してきた整形外科疾患、脳血管疾患の患者さんもいます。整形外科疾患患者の場合は、すでに機能回復手術を受けているので、回復期リハ病棟では疼痛コントロールが中心です。居宅生活ができる体力がつけば退院可能となりますので、在院日数は約1カ月です。

 一方、脳血管疾患患者は、日常生活動作の回復を目標としたリハビリが必要です。退院まで2カ月ほどかかります。当院の在宅復帰率は90%前後。患者さんごとに細かいオーダーを設定して、回復を促している結果だと思います。

―スタッフの活動、教育について。

 患者さんに関わるスタッフは、医師、看護師、リハスタッフなどいくつもの職種にまたがります。スタッフ全員が共通の認識を持って接することを重視し、職種を越えた勉強会や症例検討会などを実施し、スタッフ間の意見交換、スキルアップに力を入れています。また、グループ内の症例検討会などに参加し、他院のシステムも学んでいます。こうした取り組みが、スタッフへの信頼感につながると考えます。

 リハスタッフは、理学療法士83人、作業療法士40人、言語聴覚士15人です。急性期と回復期のリハスタッフは分かれていますが、常に情報を共有することで、細やかな患者ケアが可能になり、早期退院につながっています。

 院外との連携は、主に地域連携室が担当します。医療機関や地域行政と協力して健康教室や講演会などにも力を入れています。

 今秋に整形外科外来を拡充する計画を進めています。MRIなどの最新機器も増やす予定ですので、診療・検査・手術がよりスムーズに行えるようになると期待しています。安心・安全な医療を目指して、今後も施設整備、スタッフ教育などに努めていきます。


一般社団法人巨樹の会  新上三川病院
栃木県河内郡上三川町上三川2360
☎0285─56─7111(代表)
https://www.kaminokawa-hp.jp/

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