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志を持つ人に報いる病院に

志を持つ人に報いる病院に


病院長(どき・ゆういちろう)

1985年大阪大学医学部卒業。
米コロンビア大学プレスビテリアンがんセンター、
大阪府立成人病センター(現:大阪府立病院機構大阪国際がんセンター)、
大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学教授などを経て、2020年から現職。

 2020年4月、150年の歴史を持つ「阪大病院」の病院長に就任した土岐祐一郎病院長。病院は医療環境の変化に対応すべく、再開発計画が進行中。「医療者教育や働き方改革もさらに進めていきたい」と語る。

2025年のオープンを目指し「統合診療棟」がついに着工へ

 病院再開発のキャッチフレーズは【Futurability待ち遠しくなる未来へ。】その中心となる事業が「統合診療棟」の新設だ。地下2階、地上8階建てで、主に外来機能と中央診療機能を担う。2021年に着工、2025年のオープンを目指す。

 「病院が老朽化しているとか、患者さんを増やすためではなく、診療機能を増強するための計画です。大学病院ならではの資源をもっと発信し、より活用できる環境も整備したいですね」と土岐病院長は意欲を見せる。低侵襲治療や手術の機能を強化するほか、眼科の外来、病棟、手術室をまとめたアイセンター、患者包括サポートセンターなども新設予定だ。

 「こんな病院にしたい」というアイデアは、職員からも集まった。「三密を避ける工夫のほか、待ち時間はムダが多くて患者さんに申し訳ないという声が多く上がった。AI(人工知能)を活用して快適に過ごせる仕組みを取り入れます」。外来は横断的診療ブロックに再編し、待ち時間の大幅な短縮を図るという。

頑張りに応じた給与システムに

 任期中に前進させたい課題の一つは働き方改革だと語る。実現したいのは、働きに応じた手当システムだ。「みんな少ない手当で頑張ってくれていますが、業務の内容やレベルに応じた報酬を当たり前に出せる体系にしていきたい。各専門職の資格に則した対価も充実させたいですね」

 研究も診療も行う大学病院での働きの評価は難しいところだが、まずは労働時間の管理から始めるという。そこで、院内の数百カ所にセンサーを設置し、医師が持つ端末で、どこに何時間いたかが把握できるシステムの導入を検討している。まずは、消化器外科・内科の2科で始め、2021年度には全科に広げる予定だ。

大阪府の医療向上のための教育を

 働き方改革に欠かせない施策の一つが、タスクシフティング。阪大病院だけでなく関連病院でも円滑に進むよう、医師や看護師、メディカルスタッフが、それぞれの専門性を高める医療者教育を、さらに充実させたいと話す。「手薄になりがちな専門医教育はもちろん、看護師の資格取得のための研修も本院が中心となって担いたい」

 看護師の特定行為研修や薬剤師のレジデント募集も開始。教育の拠点としての役割はさらに増しそうだ。「府内全域に専門性の高いスタッフを送ることで、全体のレベルアップを目指す。われわれには、その使命があります」

ここで働く人の心意気を大切に

 「自分は、行動は早いが詰めが甘い。いつも回りのフォローに助けられています」と感謝を繰り返す土岐病院長。「それに、一人ひとりとのコミュニケーションを通して物事を進めるタイプなので、本来こんな大規模な病院のトップには向いていないと思っています」と続ける。

 それでも立候補された理由を問うと「周りに言われたからかなぁ」と笑いつつ、「さっき話したように、働いたら働いた分、報われる病院にしたいから。決して給料が高いとは言えない大学病院に人が集うのは、ここで何かを得たい、役に立ちたいという気持ちがあるからこそ。私は、その心意気を大切にしたいと思っています」。もっと仕事に誇りと喜びを感じられる病院へと願いは尽きない。

大阪大学医学部附属病院
大阪府吹田市山田丘2ー15 ☎️06ー6879ー5111(代表)
https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/

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