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心温まる医療を提供 地域に愛される病院へ

心温まる医療を提供 地域に愛される病院へ


院長(なかやま・しんいち)

1974年九州大学医学部卒業。
国立療養所福岡東病院(現:国立病院機構福岡東医療センター)、
米カリフォルニア大学、宮田病院副院長などを経て、2003年から現職。
九州大学医学部臨床教授。

 福岡市と北九州市のほぼ中間に位置する宮若市。その唯一の救急指定病院である宮田病院は、複数の病床機能を有するケアミックス型病院でもある。高齢化が進む地域のニーズに応えるため、中山眞一院長が目指す心温まる医療の実践とは。

─改修工事完了と同時期に、病床数も変わりました。

 建物の老朽化に伴い、約1年かけて進めてきた病院の改修工事が、2019年夏に完了。増築した厨房(ちゅうぼう)棟には、患者さんや地域の医療従事者の方にもご利用いただける100人規模の会議室を設けています。

 さらに、透析治療の需要の高まりから、透析室を増築し、新たな治療モードを搭載した機械を4台導入。血液透析、オンライン血液透析ろ過、I─HDF(間歇補充型血液透析ろ過)の選択が可能になり、患者さんの状態に合わせて、無理のない透析治療を提案できるようになりました。

 また、同じ時期に病床の見直しを実施。希望が多い個室を増やしました。現在は、以前の230床から、一般病床52床、地域包括ケア病床33床、回復リハ病床51床、医療療養病床82床の計218床となっています。急性期、回復期、慢性期など複数の機能を持つケアミックス型病院として地域のニーズに応えるには、常に病床機能を見直し、柔軟に対応していく必要があると思っています。

─高齢化への対応は。

 宮若市の人口は約2万8000人。高齢化率は35%に達しようとしています。当院は、年間約700台の救急車を受け入れており、その患者の多くが高齢者です。近年は、動脈硬化による末梢血管の疾患、血液透析に伴うシャント血管の手術が増加傾向にあります。当院は救急、一般外科手術に加えて血管造影の分野も得意としていますので、その延長上の技術となる末梢血管系の手術にも、積極的に取り組んでいます。

 一方で、地域の無床診療所の受け皿としての役割も重要です。地域の医師から患者さんをご紹介いただき、回復したらお返しする。その後は、週1〜2回の訪問診療で様子をみてもらうといった病診連携のしくみを構築したいと考えています。ただ、高齢の患者さんの場合、治療後は施設に入られる方が増えています。当院としては、受け入れ態勢に力を入れ、地域の医師の皆さんとスムーズな連携を図りたいと思っています。

─今後の展望は。

 地域性を考えると、高度な治療を追求するよりも、納得いただける適切な医療の提供が重要です。それを実践する上で大切にしたいのが、人としての優しさや思いやり。自ら選んで医療の職に就いている医療従事者は、もともと優しさや思いやりを持っています。そのような本来の資質をさらに育む環境をつくっていきたいと思っています。

 当院の理念は、「誠実さと温かい心で信頼される病院」。それに加えて2020年は、「愛される病院になりましょう」というスローガンを掲げました。

 患者さん、地域の人々、そして職員からも愛される病院になるためには、まず、私たちが地域の人々に愛情を持つこと。一人ひとりの心の中にあるものを引き出すことで実現できると思っています。

 理想的な地域医療としては、半径15㌔くらいの範囲に、当院のような200床ほどの規模の病院が点在し、標準的な医療をしっかり提供していく方が安定するのではないかと考えています。医師も、1人の患者さんを最初から最後まで診ることが大事です。専門外であってもほとんどのことは対応できますし、そのプロセスの中で患者さんを診るスキルも向上します。

 地域の高齢化が進む中、診療と療養を支える当院の役割も大きくなると思いますが、これからも患者さんに寄り添った心温まる医療を提供し「愛される病院」の実現に向けて精進していきたいと思います。

医療法人相生会 宮田病院
福岡県宮若市本城1636
☎0949─32─3000(代表)
https://www.miyata-hospital.com/

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