九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

心地よく呼吸する日々のために

心地よく呼吸する日々のために

近畿大学医学部 内科学教室 呼吸器・アレルギー内科部門
松本 久子 主任教授(まつもと・ひさこ)
1990年京都大学医学部卒業。豪シドニー大学薬理学講座留学、
京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学講師、
同准教授などを経て、2021年から現職。

◎専門医の育成が急務

 4月に近畿大学医学部内科学教室呼吸器・アレルギー内科部門の主任教授を拝命しました。中島重徳名誉教授、東田有智教授(現:近畿大学病院長)が築かれた歴史ある教室の主宰を仰せつかり、大変光栄に思うと共に、身の引き締まる思いです。

 私は京都大学卒業後、5年間、神戸市立中央市民病院(現:)で研修し、シドニー大学に留学した他は、2021年3月末まで母校の京都大学で主にぜんそく・慢性咳嗽などの気道系疾患を専門に診療・臨床研究をしてきました。

 呼吸器内科医は全国的にも患者数に対する専門医の数が非常に少なく、一人でも多くの呼吸器内科医を育成することが急務だと考えています。アレルギー内科医も同じ状況です。大阪南部における唯一の大学病院として、安全な高度・専門的医を提供すると共に、多くの優れた呼吸器・アレルギー内科医を輩出できる教室を目指しています。


◎難治化した病態の解明 他科との連携も注力

 これまで続けてきた重症ぜんそく・慢性咳嗽・COPD(慢性閉塞性肺疾患)・気管支拡張症など難治性気道疾患への取り組みは継続したいと考えています。重症ぜんそくのうち、好酸球性・2型炎症が強い方は各種抗体製剤により劇的な改善が得られるようになってきました。その有用性は 「ぜんそくを忘れるくらい元気になった」という患者さんの言葉に集約されると思います。

 一方で、細菌が下気道に定着し気管支肺炎を反復する気管支拡張症は難治性気道疾患の最たるもので、今後さらに力を入れて取り組んでいきたいと思います。
 
 また、生命予後が不良な特発性肺線維症にも注力したいと考えています。間質性肺疾患や呼吸器疾患に伴う肺高血圧症には、間質性肺疾患のエキスパートである当教室の西山理講師が中心となって積極的に取り組んでいます。

 呼吸リハビリチームとの連携や、放射線科医・病理医との合議も定期的に行っています。気道・肺は直接外界に接する臓器であり、新型コロナウイルスによる肺炎のように種々の感染症の場となります。同時にアレルギーも生じやすい場で、呼吸器内科とアレルギー内科領域の疾患は密接な関係にあります。当教室の佐野博幸教授は、当院アレルギーセンターの副センター長も兼任しています。耳鼻科、皮膚科など他のアレルギー関連科との連携を進め、アレルギー内科疾患の診療、教育に幅広く取り組んでいます。

 われわれの願いは、心地よく呼吸できる日々を患者さんに取り戻してもらうこと。そのために慢性・難治化した病態の解明、克服を目指しています。臨床研究にも取り組み、内容を教室のウェブサイトに随時掲載しています。


◎unmet needs 追求し、世界に発信を

 働き方改革の取り組みでは、チーム制で診療に当たり、夜間・休日の対応は当直医が行っています。具体的には、研修医・中間医・病棟医長クラスからなるチームが二つあり、日々のカンファレンスで情報を共有し、主治医が不在の時でも適切な対応ができるようにしています。この他、紙媒体はできる限りデジタル化し、タスクシフトを進めることで作業のスリム化を図っています。

 教室員が現在・将来の医師人生において当科にいて良かったと思える教室にすることが目標です。教室員には思いやりを忘れず、思うに任せないことがあっても折れずに長期的視点で考える習慣を付け、慣習にとらわれず一歩踏み出すことを忘れないでほしいと願っています。

 臨床での「unmet needs(まだ有効な治療法がない医療ニーズ)」に対し、解を発信する教室でありたいと考えています。日々の臨床を丁寧に行うことで「unmet needs」が見えてくること、そこに果敢に挑んで解を世界に、地域に発信してほしいと伝えています。


近畿大学医学部 内科学教室 呼吸器・アレルギー内科部門
大阪府大阪狭山市大野東377-2 ☎072-366-0221(代表)
https://www.med.kindai.ac.jp/laboratory/respiratory_medicine_and_allergology/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる