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待望の新病院開業へ  地域医療のさらなる充実を

待望の新病院開業へ  地域医療のさらなる充実を

地方独立行政法人 くらて病院
/福岡県鞍手町小牧2226 ☎0949―42―1231(代表)
https://kurate-hp.com/

  老朽化のため、移転・新築計画が進んでいた福岡県鞍手町の「くらて病院」が、いよいよ2021年10月1日に開業を迎える。新病院の果たす役割、期待される医療サービスについて田中宏明病院長に聞いた。


◎病院移転を機に、公共施設を1カ所に

 1965年に鞍手町立病院として開設以来、増改築を繰り返してきたものの、主な施設が築40年ほど経ち老朽化。患者満足度調査でも施設の古さを指摘されていた。そこで、利便性が変わらないよう今の病院からすぐの町立野球場があった場所に移転が決まった。

 「鞍手町では、利便性を高めようと、病院や役場、公民館などの公共施設を1カ所に集める整備計画が進んでいます。その計画の第1弾が当院の移転・新築です。住民にとっても、職員にとっても待望の新しい病院になります」

 新病院は、鉄筋コンクリート5階建て、駐車場約400台を有し、延べ床面積は約1万6900平方㍍。耐震構造はもちろん、災害対策や感染症予防も想定した造りとなっている。

 「エントランスの右側に講堂のような広いスペースを確保しています。ここは住民を集めたイベントのほか、災害時には避難場所として活用する予定です。一般の避難所で対応が難しい施設利用者を想定した福祉避難所のような役割を担いたいと思っています」

 1階は外来機能を集約し、受付から診察、検査までを一つの通路でつなぐ動線としている。

ニーズに合わせ病棟再編

急性期病床は100床と変更はないが、地域包括ケア病棟は病床数を増やし、療養病棟はなくす方向だ。

 「療養病棟は年々利用が減ってきています。地域包括ケア病棟は、地域連携室の利用が倍増していることもあり、需要は今後も高まると予想しています。今後は、地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟での在宅復帰支援を充実させていく方向です」

 個室は、現在よりも倍近く増えることになる。これまでは個室といっても浴室もなく、換気も不十分だったという。「病室は全て換気を良くするために陰圧管理を可能にしています。これにより、新型コロナウイルス感染症の患者さんに対し、より安全な感染管理が可能となりました」

 新病院の計画を立てる際、鞍手町から条件の一つとして小児科の充実が上がったという。小児医療を充実させることは、町に暮らす若い人たちの流出の歯止めにもなり、町の活性化や少子高齢化対策にもなる。そのため小児外来はスペースを広く確保し、小児救急や小児感染症にも対応する。

 また、手術室や透析室も現在より広くなる。手術室はクリーンルーム仕様で、より安全な環境での実施が可能となっている。

◎管外搬送をなくすための方策を

 「地域の医療を支える」ことを信条とする田中病院長だが、鞍手町は年々人口が減っており、新病院が完成しても、住民だけを対象としていては病院機能を十分に活用できないことを危惧している。そこで、医療圏を5㌔圏内とし、近隣の直方市や中間市、宮若市からの患者の受け入れも想定している。この地域の病院とは、圏域を越えてお互いに救急の輪番で助け合う関係であり、それぞれの得意分野を生かし、協力していきたいと考える。

 「実は救急搬送で、北九州市や飯塚市といった都市部への管外搬送が多いという現実があります。新病院ができ、医療をさらに充実させ、将来的にはこの管外搬送をしない体制を構築できればと思っています」

 新病院を機に病診連携もさらに良好にしていきたいと語る。「鞍手町では小児科、眼科、耳鼻科は当院にしかないこともあり、たくさんの紹介をいただいています。新病院の機能を理解していただき、さらなる病診連携の強化を図ります」



 

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