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強みを生かして対峙 意識向上、情報発信で手応え

強みを生かして対峙 意識向上、情報発信で手応え

独立行政法人国立病院機構 福岡病院 
𠮷田 誠 院長(よしだ・まこと)
1989年九州大学医学部卒業。カナダ・マクマスター大学留学、
九州大学医学部呼吸器科、国立病院機構福岡病院臨床検査科長、
同統括診療部長などを経て、2019年から現職。

 、小児医療などの強みを生かして新型コロナウイルス感染症へ対峙(たいじ)している福岡病院。これまでの取り組みと、今後の病院運営に生かす教訓について尋ねた。


―これまでの取り組みは。

 当院は特に力を入れている四つの領域があります。呼吸器、、小児、そして障害者医療です。コロナ対応では、流行初期から4領域のうち呼吸器と小児医療の強みを生かして、役割を果たしてきました。

 2020年4月1日に最初の入院患者を受け入れました。呼吸器と小児の両方を生かして、専用病棟では親子同室での受け入れもしています。当初は母子2人1組を想定していましたが、家族構成はさまざまで、最大で一家6人を一番広い特別室にベッドを追加して受け入れたことも。親子ともに不安が強い状況で、同室入院には喜びの声が寄せられています。

 一方、医師も看護師も複数で対応しなければならず、一般診療を維持しながらマンパワーを確保するには工夫や調整が必要です。

 この他、副反応に不安を抱くアレルギー疾患のある患者さんのために、ワクチン外来を開設。後遺症に対しては、専用窓口の開設に向け準備中です。外来診療に加え短期検査入院も計画中で、呼吸器内科による呼吸不全や低肺機能の評価を基本に、心療内科による抑うつや不安の評価も必要に応じて追加し、心身両面への対応を検討しています。


―最も苦慮したことは。

 障害者医療も当院にとって重要な領域です。重症心身障害者の病棟が3棟あり、特に障害の重い患者さんが入院生活をしています。最も腐心したことの一つが、院内感染が障害者病棟に及ばないようにすることです。
  
 福岡県では20年2月20日に最初の感染が報告されましたが、それに先立ち2月10日に障害者病棟の面会を全面禁止にしました。外部からのウイルスの持ち込みを極限まで回避することが目的でしたが、周知後すぐに運用を開始したため、保護者の皆さんを中心に戸惑いや反発の声が上がりました。臨時の説明会を繰り返し開催して丁寧に説明を重ね、理解が得られるまでにかなりの時間を要しました。


―教訓や収穫は。

 職員の意識向上は大きな収穫の一つです。当然のことながら、特に実感できたのは感染対策の徹底です。呼吸器疾患に注力する医療機関として以前から重点的に取り組んできましたが、標準予防策の徹底までには至らず、いかにして問題意識を共有して認識を浸透させるかが大きな課題でした。

 コロナ禍で重大な影響が直接自分自身や家族にまで及ぶ可能性を実感しやすく、感染対策が他人事ではないことが自明になったことが強い動機付けとなり、意識向上につながったと推察しています。意識の向上が医療安全全般まで広がることを願っています。

 次に、情報発信の在り方です。当院は県で唯一の県アレルギー疾患医療拠点病院として、県内のアレルギー医療の均てん化を目指した活動をしています。その一環で医療従事者向けの講習会などを開催していますが、遠方の地域まで情報を行き渡らせる方法を模索していました。コロナ禍でリモートワークが急速に普及し、当院でもオンライン講習会に取り組んだ結果、鹿児島など県外からも受講の申し込みがあり、手応えを感じています。ポストコロナでも、対面との併用で情報発信に生かしていきます。

 当院のコロナ対策を振り返ってみて、子どもも大人も、予防も治療も、心も体も、健常者も障害者も、と得意とする領域では幅広くカバーして多面的にアプローチできるポテンシャルがあると気付くことができました。今後の病院運営に生かせるヒントを見いだせたことが最大の収穫と言えるかもしれません。

独立行政法人国立病院機構 福岡病院
福岡市南区屋形原4―39―1
☎092―565―5534(代表)
https://fukuoka.hosp.go.jp/

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