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広島大学病院 リハビリテーション科 必要なのは患者の「生活をみる」視点

広島大学病院 リハビリテーション科 必要なのは患者の「生活をみる」視点

木村 浩彰 教授(きむら・ひろあき)
1988 年広島大学医学部卒業。広島市身体障害者更生相談所、広島県立身体障害者
リハビリテーションセンター(現:広島県立障害者リハビリテーションセンター)、
広島大学病院リハビリテーション科准教授などを経て、2010 年から現職。

 診断や治療を受けた患者の機能回復や社会復帰を総合的に提供するリハビリテーション科医師。「患者さんの生活をみる視点が必要」と語る、広島大学病院リハビリテーション科の木村浩彰教授に、求められている役割などを聞いた。


―特徴について。

 広島大学病院リハビリテーション科では救急、がんの手術を二つの柱に置いてリハビリを行っています。早い人は手術当日からリハビリを開始するため、術前から介入を開始。実際には術後なので、起き上がるだけなど簡単なものですが、少しでも早く介入することで、離床が早くなり、合併症を減らすことにもつながっていきます。

 救急には常に人員を配置しています。患者さんが来てからではチーム医療は成り立ちません。特に、認知症や15歳以下の若い患者さんはリスクが高くなるため、事前に把握しておく必要があります。

 広島大学病院で多いのは心臓血管外科と整形外科。がんの患者さんは、さまざまな診療科にわたっています。リハビリ科そのものには病棟がありませんので、必要に応じて外来や各病棟を担当しています。 

 国全体としてリハビリが重視されてきており、回復期リハビリ病棟や地域包括ケア病棟において重要な役割を担っています。最近では在宅リハビリも注目されており、人材をいかに輩出できるかも私たちの役割です。できれば、行政にも人材を送っていきたい。大学として、広島県全体のリハビリ医療の向上を考えていかなければならないと感じています。


―リハビリ科医の魅力は。

 リハビリテーション科では、患者さんの「生活をみる」という視点が必要になります。病気やけがをした場合、診断して治療することは大事なことですが、それだけでは生活していく上でうまくいかないことが多い。「治療は終わりました。後は頑張ってください」と言われても患者さんは困ってしまいます。

 その部分をシステム的にバックアップしているのが、リハビリテーション科です。高齢者の場合、複数の疾患があることが多く、一つの病気を治療できたとしても、それだけでは希望するような生活に復帰ができないことも多く、患者さんのご家族にも負担がかかってきます。患者さんがもともと持っている疾患も含めて再構築し、生活できるようにサポートしなければなりません。そのような「生活」への視点を持つことが、リハビリ科医には求められています。

 リハビリテーション科は比較的新しいこともあり働き方改革も進んでいます。患者さんの生活をみるという視点は、女性に向いており、すでに多くの女性医師が活躍しています。また、一度社会に出ていた人や、他の診療科から転科してきた医師も少なくありません。治療はできたけど、その先の患者さんが生きていく上で必要な医療とは何か、社会のニーズがどこにあるのかを考え、転科してきたという例もあります。


―新しい取り組みは。

 次の時代のリハビリについて研究を進めています。頭の中のMRIをとって、その機能について考察をする。例えば、発達障害のある子どもの脳波をとって、「いいね」と思っていることを数値化していくことで見えてくるものがあるのではと考えています。若い人のがんにも介入していきたい。患者さんが成長していく支えになれるシステムを構築していきたいと思っています。

 広島大学ではスポーツリハビリテーション学にも力を入れており、東京パラリンピックにも医師を派遣しました。心不全センターでは、心臓が悪い人も運動ができるように取り組んでいます。スポーツリハビリは高齢者の機能回復につながる部分も多く、私たちが取り組むべき課題だと感じています。



リハビリテーション科 
広島市南区霞1―2―3 ☎082―257―5566(直通) https://rehamed.hiroshima-u.ac.jp/

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