九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

市民ニーズに的確に応える医療を

市民ニーズに的確に応える医療を

松江市立病院
入江 隆 病院長(いりえ・たかし)
1982年鳥取大学医学部卒業。
同附属病院講師、2005年松江市立病院入職、
同診療局長、同副院長などを経て、2021年から現職


◎コロナ禍での就任

 まさにコロナ禍の2021年8月1日に就任しました。新型コロナウイルス感染症の収束がみえない今、公立病院として当院が果たすべき役割は、新型コロナ対策です。20年8月に、休止していた病棟を再稼働し、新型コロナ患者の受け入れ病床を確保。大規模なワクチン接種体制を整え、在籍する医師全員体制で連日接種に当たっています。 

 松江圏域における高度急性期病院としての役割を維持していかなければなりません。しかし、人口減少・高齢化による急性期患者の減少や在院日数の短縮による稼働率の低下など、経営的に厳しい時代への突入が予想され、経営基盤の安定化が課題となります。

 経営の安定化を図るためにも、高度な医療や得意とする診療をPRしていきます。19年、泌尿器科にてロボット支援手術を導入、21年産婦人科でも導入しました。また、ゲノム診療にも力を入れています。

 さらに、がんセンターと全国有数の設備を有する緩和ケア病棟があります。地域がん診療連携拠点病院(高度型)として、がん検診から緩和ケア、在宅ホスピスに至るまで地域に密着した高度ながん診療を提供していきます。


◎地域との連携を

 地域医療構想への対応も必要な課題です。地域に必要な医療体制を維持していくためには、病病・病診連携が極めて大事です。地域連携パスの運用を拡大し、地域包括ケアシステムを推進していくことで、この連携をさらに強化していきたいと考えています。

 コロナ禍が唯一幸いしたのが、地域の病院、医師会と連携してPCR検査やワクチン接種の体制を整える経験ができたことです。このことがきっかけとなり、今まで以上に医師会の会議や行事に参加するようになり、診療所の先
生と「face to face」の関係ができました。

 市内に所在する松江赤十字病院とも意見交換を始めています。同じ高度急性期病院、救急指定病院として、医師などの相互派遣や共同研修などに取り組んでいきたい思っています。


◎働く環境を整える

 医師については意識改革が必要だと考えています。主治医制からチーム制への移行、医師事務作業補助者の効果的な活用など、取り組んでいきます。当直も、現状の医師数では非常に厳しい状況です。理想は交代制勤務の導入です。

 医師の確保も課題ですが、当院では、毎年研修医はフルマッチしています。この中から後期研修医として病院に残ってもらえるように魅力ある職場づくりが求められていると思います。

 年5日の有給休暇取得が義務付けられたことに伴い、定期的に調査して休暇取得を促すとともに、当直明けの午後は休みにするなど、地道な取り組みを行った結果、少しずつ取得率は上がっています。目標は、「医療の質を落とさずに、ライフワークバランスの確保を目指す!」。ハードルは高いのですが…。

 若手医師の育成では、いつも伝えていることがあります。一つ目は医師として社会に貢献するために「志を高くもってほしい」、二つ目は「謙虚であれ」ということです。これからは患者さんやご家族が医師を選ぶ時代になります。患者さんから選ばれ、スタッフから尊敬される医師になってほしいと思います。他人の意見をよく聞き、最後は自分で決断する。さらに共に働くスタッフにも、思いやりの気持ちをもって接してほしいですね。

 多職種が働く病院という組織では、職員がいかに気持ちよく仕事できるかが非常に重要です。誰しも長所と短所がある。私は他人に対し、まずは長所を見つけ、そこを伸ばすよう常に心掛けています。

 全てのスタッフが互いにリスペクトの念をもって仕事をしていく、そんな病院を目指していきます。



松江市立病院
松江市乃白町32-1 ☎0852-60-8000(代表)
http://www.matsue-cityhospital.jp

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