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岡山医療生活協同組合 総合病院 岡山協立病院 設立60周年

岡山医療生活協同組合 総合病院 岡山協立病院 設立60周年

健康寿命の延伸を目指し地域と共に歩み続ける

 社会保障が未整備で、医療機関を受診することが容易ではなかった時代。資金を出し合い、住民本位の医療機関を目指し、設立されたのが始まりという。髙橋淳理事長・院長にこれまでの歩みと今後の取り組みについて聞いた。

―歴史を振り返って。

 1960年に現在と同じ地で創立され、今年で60年。国民皆保険制度が確立していない時代に、協同組合方式で資金を出し合って、いざという時に診てもらえる医療機関をつくろうと立ち上がったのが始まりです。

 現在も、病院運営委員会があり、職員と地域の組合員が一緒になって、運営について話し合いを行っています。保険診療を担っていますので、組合員の方も、一般の方も診察を受けることができます。

 岡山医療生協の組合員は、6万8000人です。地域ごとにさまざまな活動を行っています。その活動の場へ、栄養士や看護師、トレーナーなどが出向き、食事や検査の話をしたり、健診の啓発をしたり、一緒にストレッチや筋トレ、脳トレなどを行ったりしています。

 病院が存在しているだけでは、人は健康になれません。特に、高齢者の孤立は健康に悪い影響を与えることが分かっています。協同組合という、人と人がつながる事業を通して、健康寿命を延伸できるお手伝いができればと思っています。

―今の課題は。

 私が医師になった35年前と比べると、経済的格差や高齢独居、老老夫婦、中高年の引きこもりである「8050」問題など、深刻な問題を抱える世帯が増えました。2040年には、単身世帯が日本全体の40%を占めると言われており、家族だけで介護できる世帯はほとんどないでしょう。

 当院にある318床の半分は急性期病棟。その他、地域包括ケア病棟、回復期リハビリ病棟、特殊疾患病棟、緩和ケア病棟があります。同じ法人内には療養病棟もあり、診療報酬体系で位置付けられているすべての機能を備えていると言えるでしょう。急性期の治療後、すぐに元の生活に戻れない患者さんの受け皿として、利用いただいています。

 さらには、岡山大学をはじめ、急性期病院からも回復期の患者さんを受け入れています。病床稼働率は常に95%程度。病診連携はもちろんのこと、病病連携、医療と介護の連携がこれほど求められている時代はないだろうと感じています。

―総合診療医の需要は。

 19番目の専門領域として「総合診療」が加えられました。今後、さまざまな健康問題を抱えた患者さんを総合診療医がマネジメントする必要性が、確実に増えてくると感じています。

 福井次矢先生(現:聖路加国際病院院長)らの調査では、地域住民1000人のうち、1カ月で頭痛や便秘など何らかの健康問題を持つ人は860人、医師を受診する人は300人、一般病院に入院する人は7人、大学病院に入院する人は0・3人だそうです。高度急性期医療は人口構成自体が変化しているため、今後需要が減るのは間違いありません。

 総合診療というのは、生活全体を診る、全身を診る、家族を診る、地域を診ることです。高度先進医療で助かる人はいるでしょう。でもその先に、必ず老いと孤独があります。家族や知り合いが次第にいなくなる人生100年時代。治療後の患者さんの生活を支援することも、医療の大切な役割ではないでしょうか。

 総合診療は志の高い医療です。これからの時代を担う総合診療医が増えることを期待しています。

岡山医療生活協同組合 総合病院 岡山協立病院
岡山市中区赤坂本町8―10 ☎086―272―2121(代表)
https://www.okayama-kyoritsu.jp/

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