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専門性を重ね合わせ 広い領域を網羅する

専門性を重ね合わせ 広い領域を網羅する

川崎医科大学呼吸器内科学  教授(おが・とおる)
1995年京都大学医学部卒業。田附興風会北野病院、
京都大学医学部附属病院などを経て、2018年から現職。


 1973年12月に開設し、現在1182床を抱える川崎医科大学附属病院。高度医療を提供する特定機能病院として、県南はもちろん、県北や広島県東部からも多くの患者が訪れる。2018年10月に着任した小賀徹・呼吸器内科学教授に、その経緯や抱負について聞いた。

―これまでの歩みと着任の経緯を教えてください。

 京都大学を卒業してから、ほとんどの期間を京都で過ごしました。自身の研究に関していうと、私の中では三つの期間にわけて考えています。

 大学院で閉塞性肺疾患などの研究を進めていたのが第1期。薬理学教室で創薬の研究をしたのが第2期で、呼吸器内科で呼吸不全や睡眠呼吸障害などについての研究をしたのが第3期になります。

 薬理学教室で研究をすることにしたきっかけは、特定疾患にも指定されている難治性の間質性肺炎や肺線維症の患者さんが、特効薬がなく苦しんでいる姿に触れたことでした。そのころも今も「医療に貢献したい」という思いが、常に私の原動力になっている気がします。

 呼吸器内科は、、喘息・アレルギー、CОPD()、、睡眠呼吸障害など、カバーする領域が非常に広くなっています。

 近年は、それぞれの領域の専門性を掘り下げ、極めていくことが多いですが、私は、ひとつの分野に絞って深く研究するよりも、いろいろな分野に興味を持つタイプでした。呼吸器内科学教授に就くことができたのは、すべてを網羅できるという意味で、幸せなことだと感じています。


―そもそも呼吸器内科を専門に選んだ理由は。

 最初からはっきりと志望していたわけではありません。患者数が多い診療科にもかかわらず、呼吸器内科の専門医がかなり少ないことを知り、自分が貢献できるのではないかと思ったのが動機です。

 呼吸器の専門医の数は、現在でも循環器や消化器などの3分の1から半分程度。私が医学部を卒業したばかりのころはさらに少ないという状況にありました。高齢化に伴う肺がんや肺炎の増加もあって、呼吸器疾患の患者数は増えています。

 カバーする領域が広い呼吸器内科の医師が、地域によっては不在のところもあるのです。これまで大学では呼吸器内科をほかの糖尿病内科や血液内科などと混合にして、一つの教室としてきたケースが多くありましたが、呼吸器内科を独立させて設置するところも増えています。地域医療を支える呼吸器科医の育成が、急務だと感じています。


―ご自身が影響を受けた恩師はいますか。

 京大で先の薬理学教室を主宰され、現在は創薬医学講座で特任教授をなさっている成宮周先生です。基礎研究のプロセスを大切にする方で、医師としても研究者としても、非常に影響を受けました。

 さらにCOPDや喘息を学ばせていただいた西村浩一先生(国立長寿医療研究センター)、呼吸不全や睡眠呼吸障害を学ばせていただいた陳和夫先生(京都大学)は、患者さんの診療に非常に熱心で、その診療での疑問を起点に研究を重ねる方たちでした。このお2人からも多くを勉強しました。


─今後の抱負を聞かせてください。

 まずは、呼吸器内科の幅広い領域それぞれに対応しうる高いレベルの診療を維持すること。それが大学としての使命です。

 同時に、若い呼吸器内科医をもっと育成していかなければなりません。まだ始まったばかりで、時間はかかると思いますが、最終的には、がんや感染症やアレルギーなど、各領域のサブスペシャルティを持った呼吸器内科の専門医が、しっかりと協力しあえる体制をつくっていきたいと思います。


川崎医科大学呼吸器内科学
岡山県倉敷市松島577
☎086―462―1111(代表)
https://resp52.wixsite.com/kawasaki-resp

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