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専門性と総合力を極めた内科医師を一人でも多く

専門性と総合力を極めた内科医師を一人でも多く

内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座
教授(しばた・ひろたか)

1988年慶應義塾大学医学部卒業。
米ベイラー医科大学留学、慶應義塾大学専任講師(医学部内科学)、
日本大学医学部生化学非常勤講師などを経て、2013年から現職。
大分大学医学部附属病院血液浄化センター長兼任。

 新専門医制度において、内科の専攻医が大幅に減っている。内科医の魅力とは何か、どのような内科医が必要とされるのか。「内科は面白い」と若い世代の探求心に火をつける柴田洋孝教授の思いとは。

―内科医に求められる資質とは。

 内科医は「しゃべってなんぼ」です。私たちの領域は手技をあまり必要としない分、全身を細かく診ていかないと、正しい診断や治療ができません。検査データだけに頼らず、患者さんと対話しながら治療法を見つけ出していく。患者さんの人生を背負っていく、長丁場での診療となります。コミュニケーション能力は必須です。

 どんな病気でもひと通り診ることができた上で、何か一つ「とがったもの」、「これなら自信がある」というストライクゾーンを身につけてほしいですね。

 例えば、ホルモンが原因で血圧が上がる疾患や糖尿病肥満といったように、何か一つ「看板を立てる」気概を持ち、そのレベルを上げる努力がないと生き残れません。その探求心があれば、いい意味での競争心も芽生えるのではないでしょうか。

―講座の特徴は。

 内分泌代謝、膠原病、腎臓内科学と、関連性はありながらも専門性がそれぞれに異なる3グループが統合しています。その特長を生かした3グループ合同のカンファレンスを行っており、ここでは他の専門分野について学ぶことができます。

 学生も参加するので、発表者は分かりやすい説明が必要です。領域外の素朴な疑問でも、知らないのが当たり前なので質問しやすい雰囲気があります。

 質問するには集中して聴かねばならない。核心を突いた質問が出ると、説明する方も「よくぞ聞いてくれた」とうれしくなります。「質問力」と「説明力」が養われ、患者さんへの説明や学会発表のスキルが磨かれていくと感じています。

 現在は3グループの病棟が同じなので、重複した疾患があると、すぐ近くにいる専門家に気軽に聞くことができるメリットもあり、協働する診療体制を作り上げています。

 「3足のわらじを履く」と私は言っていますが、講座において臨床と研究、指導までをこなすのは大変ですが、これは確実にキャリアアップになります。

 いきなり研究論文を書くのはハードルが高いかもしれません。しかし、臨床の中で指導医が若手医師に促して症例リポートを書かせ、それが、英文で国際的な医療ジャーナルに掲載されたら、モチベーションはかなり上がります。

 誰しも好奇心や探求心はあるはずです。若手医師や学生のリサーチマインドに火をつけるのは難しいことですが、それが私の役目だと思っています。

―今後について。

 大分県の医療に貢献できる人材を育て、連携施設に派遣するのが役割です。内科の専門医研修プログラムは上限27人から2020年度は35人に拡大。すでに26人が集まっています。

 ただ、数をそろえればいいというわけではありません。専門医の資格が取れるレベル、リサーチマインドがある人材育成機関でなければなりません。全国的な傾向として、基礎研究や臨床研究に従事しない風潮が心配です。専門医資格を取得するだけでは地域医療でリーダーシップを発揮する人材となるには不十分です。

 女性医師の活躍も期待しています。医局には女性医師が10人。院内託児所があり、育児支援制度の枠内で時短勤務も可能です。常勤扱いとなる週20時間程度の勤務の確保、ローテーション編成などに工夫を重ねながら、先輩の女性医師のアドバイスを受けつつ、頑張っています。男女問わず、働きやすい環境を整えることは、人材の確保にもつながっていくと思います。

大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座
大分県由布市挾間町医大ケ丘1―1
☎097―549―4411(代表)
https://www.med.oita-u.ac.jp/naika1/

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