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奈良県立医科大学附属病院 病院長 吉川 公彦

奈良県立医科大学附属病院 病院長  吉川  公彦

 新年明けましておめでとうございます。2020年4月1日から奈良県立医科大学附属病院病院長に就任しました吉川公彦です。2020年は新型コロナウイルス感染症に翻弄(ほんろう)された1年でしたが、2021年はコロナワクチンが実用化され、感染症が収束に向かい、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることを願うばかりです。

 新型コロナウイルス感染症対策は緊急課題であり、2020年4月理事長・学長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」が立ち上がり、本部と緊密に連携をとりながら、病院内における対策を検討する「病院部会」が設立され、部会長を拝命しました。

 2020年4月に奈良県より新型コロナウイルス感染症対応重点医療機関としてコロナ対応病床150床の確保を要請され、呼吸器内科、消化器内科、消化器外科の三つの病棟をわずか2週間ほどで陰圧化工事を行い、人員配置や訓練を行い、コロナ専用病床としてオープンしました。4月20日から病棟稼働率を5割、手術枠を5割に削減するとともに、新規初診受付の停止を行いこの危機に対応しましたが、誰もが先が読めず、手探りの状態でした。

 病院部会の下に立ち上げた多職種のメンバーによる13のワーキンググループで、トリアージ外来、病棟運営、感染対策、重症系治療、PCRやCTなどの検査ワーキングなどで連日連夜徹底的に議論を重ねました。ここまで集中して多職種で細部にわたり議論したことは、ある意味、非常に価値がありました。職員が一丸となって対策に当たった結果、認識がしっかりと共有でき、グループウエアを利用したウェブ会議が浸透し、会議の時間は短縮、フランクに話し合える関係性が生まれ、業務の効率化にもつながりました。有事の際は正しくアップデートされた情報と意識の共有が重要です。

 当初、職員の中にも「コロナ診療は危険」という認識がありましたが、正しい感染知識を学び、十分な感染予防策を行えば、患者から職員への感染は無いということが当院で実証されたことは本当に素晴らしいことです。

 現在は第3波を迎え病棟稼働率を6割とし、重症7床を含む115床をコロナ病床として確保していますが、県内でも重症病床が逼迫(ひっぱく)しており、最終ディフェンスラインとしての当院の機能を果たすため、今後重症病床をさらに増やすとともにコロナ以外の重篤な疾患の治療にも邁(まい)進する所存です。

 最後になりましたが、皆さまのご多幸を祈念し、年頭のごあいさつとさせていただきます。

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