九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

奈良県看護協会 会長 平 葉子

奈良県看護協会 会長 平  葉子

 あけましておめでとうございます。本年も、皆さまにとって、すばらしい年となりますように心からお祈り申し上げます。

 さて、「団塊の世代」が後期高齢者となる2025年が5年後に迫り、今後はさらに、85歳以上の人口が大幅に増加する2040年を見据え、医療・看護に取り組まなくてはなりません。

 これまで、奈良県は400床以上の大病院が4施設しかないため、他県に比べ救急医療体制が取りにくい状況がありました。半面、中小規模の病院が多く、医師の散在が問題となっていました。

 しかし、これからの超高齢社会の医療は、高度急性期の医療は広域的に確保されていればよく、むしろ、近隣住民の生活全体を支える、地域型の病院が重要になると言われています。

 高齢者は複数の慢性疾患と加齢による虚弱を抱え「とことん治す」ことはできません。「この治療を受けることで楽に暮らせるようになるか?」という視点で診療し、訪問看護と連携し、入退院を繰り返しながら、充実した人生を最期まで送れるように支援することが求められます。

 幸い、奈良県では、地域医療構想の「奈良方式」を掲げ、構築を進めています。それは、大病院と、中小規模でも緊急で重症な患者を受け入れ、救急医療や高度医療に責任を持って対応する「断らない病院」と、軽度急性期の患者や、在宅患者・施設入所者の状態悪化時に速やかに受け入れ、また元の生活に戻れるように支援する機能を持つ「面倒見のいい病院」に機能分化することです。

 また、この二つは、互いに連携を強化して、県民の医療ニーズに応えていきます。これからの時代にマッチした、この「奈良方式」は、全国から注目されています。

 これまで、施設入所者は状態が悪化しても受け入れてもらえる病院が少ないため、わざわざ夜間になるのを待って救急車を呼び、受け入れ病院を探していました。しかし、その間、長く待たされて状態が悪化したり、高度急性期病院に搬送され、本人の望まない高度医療を受けるケースもありました。

 この「奈良方式」による機能分化が進み、人手のある昼間のうちに、近くの「面倒見のいい病院」に受け入れてもらい、食事や排せつの自立、生活リハビリなどで、また元の暮らしができることを期待しています。

 看護協会では、高齢者が状態によって療養の場を移動しても、途切れることなく看護を引き継いでいけるように、地域ごとの病院、診療所、介護施設、訪問看護、行政保健師などのネットワークを強化していきたいと思っています。

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