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大阪市立大学大学院医学研究科 麻酔科学講座 多方面で活躍できる人材を育成 診療と研究の両立を

大阪市立大学大学院医学研究科 麻酔科学講座 多方面で活躍できる人材を育成 診療と研究の両立を

森 隆 教授(もり・たかし)
1990 年大阪市立大学医学部卒業。大阪労災病院、
米ノースウエスタン大学医学部分子薬理学教室、大阪市立大学大学院
医学研究科麻酔科学講座准教授などを経て、2020 年から現職。

 大阪市内唯一の大学病院として、高度な医療を目指している大阪市立大学。その麻酔科・ペインクリニック科を担う森隆教授に、不足している麻酔科医の育成・人材確保、研究活動などを聞いた。


―教室の強みは。

 当講座では、麻酔科・ペインクリニック科として診療を行っています。麻酔科の強みの一つは、麻酔科指導医11人、麻酔科専門医14人、心臓血管麻酔専門医5人、ペインクリニック専門医3人と、指導力の高い医師がそろっていることです。

 手術麻酔では、新生児から超高齢者まで、幅広い診療科のバラエティー豊かな手術に対応。心臓麻酔、小児麻酔など専門性の高い診療、緊急手術、大学病院ならではの困難な症例など、力量が試される場面も多く、若手医師の良いトレーニングの場になっています。

 ペインクリニックでは、チーム体制の下、種々の慢性痛に対する集学的治療、若手医師の教育を実践しています。最近は、放射線科の協力を得て、CTガイド下の神経ブロックにも取り組んでいます。

 大学院生や若手医師への臨床・基礎研究指導にも尽力しています。スタッフ全員に研究経験があり、国内外留学経験者も多く、現在、8人が科学研究費の交付を受け、最近5年間で23件と高い採択率を得ています。しかし、多忙な診療の中で、研究する時間をつくることに苦心しているところです。

 国内外の研究機関との共同研究も活発です。麻酔科研究室内に複数の実験設備を整備し、医学部共同実験施設も活用して、多角的な視点で基礎研究を行っています。国内外の学会での受賞者も多く、ハイレベルな研究活動の維持を目指しています。

 基礎研究では、麻酔薬のさまざまな薬理作用、疼痛メカニズムと治療、水素の臓器保護、臨床研究では麻酔中の輸液・循環管理、術中指標と予後予測、先天的な気道確保困難例の予測と対処法などを実施。麻酔、疼痛治療、患者予後改善に貢献する研究を目標にしています。


―人材育成について。

 専攻医には日々の診療の中で、麻酔・全身管理に必要な知識、基本から最先端までの技術の習得、その習熟度と症例に合わせたバックアップ体制を取っています。医療安全への意識は最も重要で、コミュニケーション能力、状況判断力、意思決定力も重点的に指導しています。

 「患者さん固有の問題点×麻酔および手術に伴うリスク」を認識できなくてはなりません。最初の何年間かは大学病院で厳しいトレーニングを受け、希望と適性を考慮し、連携施設での研修、サブスペシャリティー研修、大学院進学などをサポートしています。

 毎朝のカンファレンスは、最新知識のアップデート、症例の情報共有や事前検討、学会発表の予行演習をする場となっています。若手医師には日常の症例プレゼンや学会発表を課し、上級医の指導の下、アウトプット力を鍛え、将来、多方面で活躍できる人材育成を目指しています。


―今後は。 

 麻酔科は女性医師も多く、働き方改革の一環として、育児中の非常勤枠を設置し、専門医継続に必要な週3日以上の勤務を確保。今後は、医療の質や安全の担保を前提にタスクシフトやワークシェアリングを検討し、ワークライフバランスのとれた環境を提供できるようにしていきます。

 「医師である前に人間たれ」をモットーに、患者さんの期待に添えるよう、安全で質の高い麻酔医療を常に追求する、麻酔科学の発展をリードするような麻酔科を目指しています。そのためには、何よりも人材の育成が大切です。透明性と公平性の高い運営の下、教室員が満足感、充実感を持てるような環境を整えたいと思っています。実現に向けて、さらに関連病院との連携を良くし、国内外の施設との人的交流も図っていきます。



大阪市立大学大学院医学研究科 麻酔科学講座
大阪市阿倍野区旭町1―4―3 ☎06―6645―2121(代表) http://ocu-anesth.jp/

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