九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

大阪市立大学医学部附属病院 理事・病院長 平田 一人

大阪市立大学医学部附属病院 理事・病院長  平田  一人

 新年あけましておめでとうございます。

 2020年は、日本中が沸き立つオリンピックイヤーとなるはずでしたが、新型コロナウイルスの世界的大流行によりオリンピックは残念ながら延期に、そして私たちの暮らしも大きく変化することとなりました。医療現場では、防護具不足や通常診療の患者減などの困難に直面しながら、診療提供を継続するために奮闘し続けた1年ではなかったかと認識しております。

 大阪市立大学医学部附属病院は大阪市内にある唯一の大学病院です。特定機能病院、地域がん診療連携拠点病院、災害拠点病院などの指定を受け、安全で質の高い最新の高度医療の提供、多彩な臨床研究や良質な医療人の育成、地域医療の向上に寄与することを基本理念とし、日々努力を続けています。

 私儀は2018年4月1日より大阪市立大学医学部附属病院長を拝命し、この3年弱の間、効率的な病院運営を目指して持続可能な財政基盤の構築に取り組んでまいりました。

 救急医療、手術、悪性疾患対策を基盤として進め、西日本初となるMRリニアックシステムの導入や、超高齢社会となる2025年に向け、医療ニーズの高まる高齢患者にも対応できるIVR、内視鏡治療など設備への投資を積極的に推進していきます。

 また2020年は、手術室を増室、ダビンチ Xiを導入し2台体制での運用を開始しました。さらに、臓器別の診療体制をより強化すべく2019年に開設した循環器内科・心臓血管外科・CCUを集結させた循環器センターに続き、2021年4月には腎・泌尿器センターを整備します。

 また、特定機能病院に求められる医療安全体制整備の一環として、2019年4月より医療安全に関わる部門を集約した医療安全センターの運用を開始しています。

 今後も引き続き管理体制の強化と問題発生時の報告・連絡・相談体制の充実化を図り、チーム医療を中心としたスタッフ間の連携や相互チェック体制の徹底、PDCAサイクルを意識した改善に尽力していく所存です。

 2021年の干支は「辛丑(かのとうし)」。「辛」は草木が枯れ新しい世代が始まるさま、「丑」は殻を破ろうとする命の息吹という意味を持ち、われわれはまさに時代の転換期を迎えていると言えます。

 2025年を目前に、またこのwithコロナの時代に、医療を取り巻く課題は多々ありますが、職員一丸となって英知を結集し、変化に対応しながらも堅実に歩み続けることをお約束して、年頭のごあいさつとさせていただきます。

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