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大阪大学大学院医学系研究科 泌尿器科学 基礎研究に情熱を持ち 臨床・教育を担う若手を育成

大阪大学大学院医学系研究科 泌尿器科学 基礎研究に情熱を持ち 臨床・教育を担う若手を育成

教授(ののむら・のりお)
1986年大阪大学医学部卒業。
東大阪市立中央病院(現:市立東大阪医療センター)、米国立衛生研究所(NIH)、
大阪大学大学院医学系研究科泌尿器科学准教授などを経て、2010年から現職。

 2021年で教室開設80年を迎える大阪大学大学院医学系研究科泌尿器科学。腎移植をはじめ前立腺がん、膀胱(ぼうこう)がんなど幅広い領域に取り組んでいる。2010年に就任し、長年、教室をけん引してきた野々村祝夫教授に、現状と今後の運営方針を聞いた。

―開設80年を迎えます。これまでの歩みを。

 1923年に開設された皮膚(泌尿器科)・花柳病学講座をルーツとし、1941年に泌尿器科学が分離独立。2021年で80年を迎えます。どこを始まりとするか同門会でも意見が分かれるところです。

 教授になり、16年の任期の3分の2が過ぎました。関西圏に集中している関連施設との連携による臨床研究、大学における基礎研究という二つを柱に、「日本を代表する泌尿器科教室」を目指してきました。

 基礎研究を行う上で必要なのは、研究に対するモチベーションです。臨床研究も大切ですが、基礎研究がなくては教室全体の学術的なレベルの向上は望めません。臨床を行いながらも、基礎研究に高いモチベーションを持ち続けられる人材を大切にしてきました。持続性のある研究のテーマを設定し、メンバーがそれぞれの能力を認め、切磋琢磨(せっさたくま)しながら研究を進めています。

 テーマは、前任の奥山明彦先生(現:名誉教授)の専門であった生殖医療を受け継ぎながら、近年は私の専門である前立腺がんの発生研究にシフトしています。研究成果がかなりそろってきており現在、動物実験からヒトでの実証に移りつつあります。私が任期を終える頃には、まとまった成果報告ができると思います。

 腎臓がんや膀胱がんに対するバイオマーカーの探索も、テーマになっています。プロジェクトチームで研究を行っているほか、関連して新しい治療薬の研究にも力を入れており、こちらの成果報告もできる日が来ると確信しています。

―腎移植も積極的です。

 症例は年間50件ほどに達しています。この領域の発展は法的整備と優れた免疫抑制剤の登場にあります。ただし、増えてきたとはいえ、待機する患者さんがまだ多いことから分かるように、ニーズはさらに高くなることが予想され、今後も積極的に行っていく必要があります。

 日本における腎移植は、献腎移植が少なく、家族間で移植を行う生体腎移植が多いのが特徴です。重要なことは、家族であることの正確な確認と、腎臓提供者の合併症を防ぐこと。最近は高齢者同士の移植も増え、この点には非常に気をつけています。

 泌尿器科医が中心となっている「腎移植・血管外科研究会」の代表世話人になっていることから、この領域の強化をしっかりと図っていきたいと思っています。

 研究会の名称に血管外科があることから分かるように、大きな血管を操作する手技が必要になる泌尿器科医全体のレベルアップを、研究会の論議の中では深めていこうと思っています。

 学術集会の開催に当たっては、腎移植以外の演題などを着実に増やし、研究会そのものを拡充していきたいと考えています。

―今後の教室運営は。

 生殖機能、腎移植、前立腺がん、排尿機能などの各研究領域は現在、講師や助教がリーダーとしてけん引しています。臨床での実績もあり、大学院生の指導を任せています。

 ただ、今後はより若い世代に運営を任せることを考えています。大学院生と年齢的にも近くフットワークも軽い。最新の技術の習得にも積極的です。

 彼らを重要なポジションに置き、活躍させることによって、学会レベルで注目も集めるようになれば、対外的なアピールのチャンスが増えていきます。若手を育て、外に向けて発信していくことが、今後の教室運営の柱になると思います。


大阪府吹田市山田丘2―2 ☎06─6879─5111(代表)
http://www.osaka-urology.jp/

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