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大分大学医学部附属病院 形成外科  世界水準の医療で患者のQOL向上を

大分大学医学部附属病院 形成外科  世界水準の医療で患者のQOL向上を

清水 史明 教授(しみず・ふみあき)
1999年熊本大学医学部卒業。大分医科大学(現:大分大学医学部)
附属病院皮膚科形成外科、台湾長庚記念病院、
大分大学医学部附属病院形成外科診療教授などを経て、2017 年から現職。

  大分県で世界最先端の医療を提供するために、多種多様な症例に対応できる第一人者を育成し続ける大分大学医学部附属病院形成外科。清水史明教授に、人材育成や形成外科医に求められる資質などを聞いた。

―特徴を教えてください。

 大分県では、特に多いという症例がありません。それだけに、大分県内の形成外科領域の「最後の受け皿」として、全ジャンルの症例を診ることができる人材を育てる必要があります。

 形成外科の症状は患者さんごとに異なり、全てが初めてのケースと言えるほど、同じものがありません。ただし、技術の基本的な部分はつながっています。その技術をしっかりと身に付けた上で、全ての分野に対して第一人者として対応できる実力があること、そして精神論になってしまいますが「絶対に逃げないこと」が大切です。

 若い医師を育てていく上で、形成外科独自の知識よりも、医者としての基本的な能力や基本的な態度、知識が非常に重要だということを伝えています。形成外科は、患者さんのQOLを良くするための治療なので、患者さんが求めるものが非常に高い。「命は助かったけど、すさまじい後遺症が残って引きこもってしまった」という状況も珍しくなく、自分がうまくいったと思う手術であっても、患者さんにとっては満足ではなかったということもあります。

 医者としての基本的な態度や能力を培った上で、患者さんが何を求めているのかをキャッチできるコミュニケーション力を持ち、オーダーメードの治療を提案できる、そのような医師を育てていきたいと思っています。


―形成外科医として必要なスキルは。

 「形を成す科」ですので、良い形をつくり、良い機能をもたらさなければ患者さんは納得しません。ところが、教科書には「こういう形を成したがいい」とかは書いていない。その場合に必要になるのが、アート的な感覚や立体認識。実は、デッサン教室を設けているところも多く、この医局でもクラブ活動として取り組んでいます。人の形、物の形をじっくり見ることで形の本質が見えてくるようになります。一見、不必要にも感じますが、耳の軟骨移植であっても、医師によって形が変わってくるのです。

 「形成外科は精神外科だ」というのは恩師の言葉ですが、その先にある患者さんの良い生活も考慮して、患者さんの思いや社会的な部分も治す必要があります。目指すゴールが非常に高く、誰が治療するかで結果も違ってくる、職人的な面白さがあると、若い人たちには伝えています。

 患者さんの心の機微をつかむという点では、女性医師にも向いています。男女に関係なく、何よりも人間力を大切にしてもらいたいと思っています。


―今後の可能性は。

 私の専門は、顔面や口腔の頭頸部がん切除後の再建外科。2005年に、この分野では最先端の台湾長庚記念病院形成外科に1年ほど留学しました。欧米からも多くの医師が集まるこの病院にメールを送り続けた結果、「手伝いにおいで」と返信をもらい、後輩たちも続けて留学しています。

 その結果、2006年からマイクロサージャリーを使った遊離組織移植手術を行っており、高い移植成功率を誇っています。これらを含め、大分の地で、世界水準の医療を提供していきたいと思っています。

 形成外科は「伸びしろ」がある分野です。私自身も、学会の同世代のメンバーとともに、顔のパーツの移植に関するワーキンググループを立ち上げました。再生医療をはじめ、面白い発見が生まれる可能性がまだまだあります。若い医師には、少しでも研究に従事できる環境を与えられるようサポート体制を整えていきたいと思います。



大分大学医学部附属病院 形成外科
大分県由布市挾間町医大ケ丘1─1 ☎097─549─4411(代表)http://www.med.oita-u.ac.jp/keisei/

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