九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

多様な人がしなやかに融合し、前進する組織を

多様な人がしなやかに融合し、前進する組織を

植木 美乃 教授(うえき・よしの)
1997年名古屋市立大学医学部卒業。米国立衛生研究所、
京都大学医学部附属高次脳機能総合研究センター、名古屋市立大学大学院
医学研究科リハビリテーション医学教室講師、准教授などを経て、2020年から現職。

 高齢化の進展に伴い、注目度が高まるリハビリテーションの分野。名古屋市立大学大学院医学研究科リハビリテーション医学教室の今後を、教授の植木美乃氏はどう描くのか。


―教室の特色を教えてください。

 当教室は2014年1月に開設され、初代である和田郁雄前教授が基盤を築かれました。

 特色の一つが臨床と研究の融合。これまで運動認知機能障害において、臨床と研究が融合した独自の非侵襲的生体機能評価や新規リハビリテーション方法を開発し、提供してきました。

 現在は疾患と障害対象を広げ、運動認知機能障害、内部障害(心臓肺疾患)、小児発達障害の各ユニットとして、診療・教育・研究を実施。学生および若手医師がリハビリテーション科医ならではの機能評価、治療手技、解釈を身に付けられるようにしています。

 また、県内外や海外にも連携施設や共同研究先があることも特色の一つ。県外の連携施設は各分野で最先端の臨床・研究を行っている施設であり、海外では米国立衛生研究所、ジョンズホプキンス大学とも研究協力をしています。


―今後の教室運営の方向性は。

 「組織は人なり」であり、医局員個々人の多様性や独自性が重要です。個人が最大限の力を発揮できるような働き方を提供し、専門性を身に付けてもらうことを目指しています。

 当教室には、内科、脳神経内科、整形外科、脳神経外科などさまざまなバックグラウンドを持つ医師が集まっています。それぞれが興味ある分野で活躍できるようにサポートするのが私の仕事であると考えています。

 長年、診療を極めてこられた経験豊富な先生方の医術を次世代に伝承し、発展させることも重要です。伝統的な医術と先進医療との懸け橋になるような勉強会やセミナーを開催するなどして、多様な専門性、年齢の人がしなやかに融合し、新しいリハビリテーション医療を生み出すような組織を目指していきたいとも思っています。

 人材育成の基本的な考えは「science to society」。医学・科学的基礎知識、専門知識を基盤に社会に貢献できる医師を育成することを、大きな目標としています。同時に、リハビリテーション科医は、患者の全人的な生活の質を高めるためにあらゆる手を尽くすという考え方「リハマインド」を持ち合わせることが重要です。妥協なく全人的医療を追求できる人材の育成を心がけています。

 現代社会の成熟に伴いリハビリテーション科の果たす役割はますます重要になっていきます。

 現代医療は包括的医療から個別化医療まで、さまざまな側面があり、今後はゲノム、薬剤、移植治療のみならずAIによる医療革新も目前に迫っています。

 その中で、地域社会に根付き市民の生活の質を高めるためのリハビリテーション医療を展開していきたい。今後も各科の先生方と協力・連携を強化しながら、名古屋地域でのリハビリテーション医療のさらなる充実に取り組んでいきたいと思います。


―女性医師の支援にも力を注いでこられました。

 医学部の女子学生の割合、女性医師の割合は、共に年々増加しています。私は当大学の医師・大学院生の指導をする中で、折に触れて女性医師のキャリアプランに関する相談に乗るようにしてきました。今後は、女性医師が安心して働き、出産・子育てもできる職場であることがますます重要になります。私自身の経験も生かし、多様な働き方の提供など男女共同参画に貢献したいと思っています。

 出生率が低下する今、産み、育てやすい、暮らしやすい日本社会を継承することは私たちの責務でもあると考えるのです。



名古屋市立大学大学院 医学研究科リハビリテーション医学教室
名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1 ☎052ー851ー5511(代表) https://ncu-rehab.com/

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