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外来をワンフロアに集約 新幹線駅前に新病院が完成

外来をワンフロアに集約 新幹線駅前に新病院が完成

 2022年の開業を目指す九州新幹線長崎ルート。その「嬉野温泉駅(仮称)」前に、「 」の新病院が完成した。グランドオープンは、6月4日(火)。新駅前のシンボルとして、また嬉野市の医療の中核として、寄せられる期待は大きい。

◎新幹線新駅前にできた嬉野市の新シンボル

 新病院が完成したのは、旧病院から東へ約2・5㌔、観光客が多い嬉野温泉の最寄り駅となる新駅「嬉野温泉駅(仮称)」の西側。嬉野市の中心を走る国道34号にも面したアクセス抜群の立地だ。

 399床、23診療科を擁し、地上8階、塔屋2階。免震構造で屋上にはヘリポートを備え、2次・3次救急、災害、小児、周産期、緩和ケアなどの医療を担う。看護学校や学生寮・研修施設、保育所も備えた。一帯にはこのほか、カフェや直売所、温泉を利用した足湯、医療との連携をテーマにした施設などの導入が予定されている。

 計画が持ち上がったのは2011年。新幹線新駅周辺整備に当たって開かれた新幹線駅街づくりチーム会議の中で案が出た。築40年近くなった旧病院の建て替え時期が迫っていたことも後押しした。その後、院長と嬉野市長、そして国立病院機構との三者協定を経て、2016年秋に着工。2年半で完成に至った。

◎2階に外来機能を集約 診療動線がスムーズに

 「救急車で運ばれてきた患者が、救急外来からCTとMRIの検査を経て、ICUや救命救急センター、手術室へとスムーズに移っていく。そんな流れるような動線をつくることを重視しました」と河部庸次郎院長。

 新病院の整備に合わせて、河部院長が目指したのが、「救急医療の強化」だ。ドクターヘリで運ばれてきた患者の治療がスムーズに開始できるか、医療職の移動距離はどうか…配慮しながら、エレベーターや各スペースの位置をレイアウトした。

 3階は手術室と管理部門、4階には救命救急センター、ICU、5階はNICUを含む小児科、産科などを配置し、エレベーターでつないでいる。

 さらに、新幹線の駅が国道よりも低くなる地形を生かし、1階を新幹線駅から続く玄関、2階を国道からつながる外来駐車場と外来受付に。2階フロアだけで外来患者の受付から検査、診察、会計まで、すべて済むように設計したという。

 4階から上階には病棟があり、最上階の8階には緩和ケア病棟。「増え続けるがんの患者さんを支えたいと考えています」。

 1階は、〝病院らしさ〟を抑えた開放的で、温かみのある空間だ。木をふんだんに使い、明るくて広い玄関と、吹き抜けが印象的。焼きたてのパンを提供するカフェ、食堂、コンビニエンスストア、多目的ホールなどを集約した。

◎救急医療充実のための教育・体制づくりを

 河部院長が次の目標として掲げるのが教育の充実。それが、病院の活性化と、救急医療の強化につながるとにらむ。

 「救急がしっかりできることが、この病院の生命線。救急専門医は2人と決して多くはないが、各診療科の医師がサポートして、自宅に帰していい人、病院で経過を見たほうがいい人など、しっかりと判断できることが大切だ」とし、「診療科の垣根を越えてお互いに教え合い、勉強し合うことで、救急時の対応力の底上げを図っていきたい」と語る。

 嬉野市も例外なく、高齢化、人口減少の波が押し寄せてきている。「今後、地域医療のあり方が変わってくるでしょう。働き方改革の一方で、医療者も勉強や修練をしないとニーズに応えられない。求められるものが何かをしっかりと見極め、柔軟に対応していきたいと思います」

独立行政法人国立病院機構 嬉野医療センター
佐賀県嬉野市嬉野町下宿甲4279-3(
☎0954―43―1120(代表)
https://ureshino.hosp.go.jp/

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