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増加する外国人患者の受け入れ体制を強化

増加する外国人患者の受け入れ体制を強化


院長(まなべ・やすひろ)

1986年福井医科大学(現:福井大学)医学部卒業。湖北総合病院耳鼻咽喉科、
福井医科大学附属病院耳鼻咽喉科などを経て、1995年から現職。

 2018年に創立30周年を迎えた「真生会富山病院」の創立時からの理念は「自利利他」。最近では外国人の患者の受け入れにも積極的だ。病院経営にさまざまな工夫が求められる中で、これからの病院がどうあるべきか。新しい取り組みに挑戦する真鍋恭弘院長に話を聞いた。

—病院の特徴は。

 当院では創業以来、大切にしている理念があります。それは、「自利利他(じり りた)」の精神。「他人を幸せにすること(利他)、それがそのまま自分の幸せ(自利)になる」、つまり「患者さんの幸せが第一であり、それが私たちの医療者としての幸せである」という意味です。この言葉を医師・従業員全員で日々意識しています。

 最近増えているのが、外国人向けの医療です。きっかけは7年ほど前。ある医師を通じ、中国国内で治療が困難とされた患者さんが眼科治療のために来院しました。手術は成功。その方からの紹介で、その後、中国からの患者さんが継続するようになりました。

 現在では中国の病院経営者が当院の勉強会に参加したり、眼科と内科の研修医が2人当院に在籍したりと、中国との交流が続いています。

 港が近いことや県内の外国人就労者が増加していることもあり、中国以外の外国出身患者も増加中です。現在ではロシア、パキスタン、フィリピン、ベトナムなどさまざまな国の方が訪れるようになりました。彼らは横のつながりが強く、友人や家族を連れてまた来院してくれるのです。

 なるべく多くの方が治療を受けられるよう、平日の外来受付時間は午後7時までにしています。

—海外の患者の留意点は。

やはり文化の違いでしょう。特に入院時は注意が必要です。宗教上食べられない物があることも多く、文化の違いには特に配慮を要します。入院手続き時に細かくヒアリングし、失礼がないよう気を付けています。

 また、言語については、英語通訳1級1人、中国語通訳1級1人の医療通訳士が常勤し、診療のサポートに当たっています。他にも、診察申込書や病院案内、外来受付などを多言語で表示。昨年、「外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)」も県内で初めて取得しました。

—今後は。

 「自利利他」の追求が変わらずテーマです。自利「自分の幸せ」は、当院の従業員の幸せにもつながります。過重労働にならないよう調整を図り、やりがいをもって仕事に取り組んでほしいと思います。

 「キュアとケア」という言葉があります。キュアは治療のこと。ケアは対話など心のサポートのことです。かつては治療によって完治する病気が中心でしたが、現在は高齢化によって、延命はできるが完治は難しい、という状況の方も増えています。従来に比べ、キュアの割合が低くなり、ケアの割合が高まっていると言えるでしょう。

 当院では、医師・従業員ともに「対人援助論」というケア理論を学んでいます。これにより、終末期の患者さんに「できること」が増えました。その結果、笑顔を取り戻し、「もう少し生きてみよう」と、明るく病気と向き合う方も多くなりました。これは、医療従事者にとっても大きなやりがいにつながっています。

 現在、常勤医師の在籍数は40人を超えました。当院は99床の病院なので恵まれた人数だと思います。外来の最終受付時間を遅めに設定することや、海外からの患者の受け入れ、最近では働き方改革などいろいろな試みがスムーズに進めやすい状況です。

 理念を柱に、良い循環が生まれています。今後もこれを継続していきたいと考えています。「自利利他」の追求と実践を通じ、これからもあらゆる患者さんに向けて、〝本当の幸せ〟を追求する医療を提供していきます。

医療法人真生会 真生会富山病院
富山県射水市下若89―10
☎0766―52―2156(代表)
https://www.shinseikai.jp/

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