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地域医療構想の実現に向け「ふじのくに社会健康医療連合」設立

地域医療構想の実現に向け「ふじのくに社会健康医療連合」設立

理事長(たなか・いっせい)
1975年京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科臨床病態医科学助教授、
国家公務員共済組合連合会京阪奈病院(現:枚方公済病院)病院長などを経て、
2014年から現職。静岡県立病院機構静岡県立総合病院院長兼任。

 地域医療連携推進法人「ふじのくに社会健康医療連合」が、2021年4月に発足した。静岡県立病院機構と独立
行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)、6月には静岡社会健康医学大学院大学も加わり、さまざまな交流を始めている。


―設立までの経緯を。

 静岡県は、人口10万人に対する病院勤務医の数が全国ワースト2位。参画したJCHO桜ケ丘病院がある静岡市清水区(旧清水市)は、人口10万人に対する常勤換算医師数が51・5人(全国平均171・7人)と、本県の中でも極端に病院勤務医が少ない地域です。
  
 桜ケ丘病院は、清水区の内科救急を担いながらも、慢性的な医師不足のため、診療面にも課題を抱えており、厚生労働省が発表した再検証対象病院の一つにもなっています。加えて、建物の老朽化により建て替えが急務でしたが、建設予定地が静岡市の計画変更のため白紙となり、存続が危ぶまれる状況にありました。

 そうした中、桜ケ丘病院にJCHO本部から内野直樹院長が派遣され、本格的に再建に向けて動き出しました。ただし、他の都道府県は、地域医療連携推進法人の設立を積極的に支援していますが、本県は政令指定都市である静岡市に配慮したためか積極的な対応がありませんでした。しかし、川勝平太静岡県知事が病院の存続を重要視し、地域医療連携推進法人制度に関心を示されたことで、20年月から法人の設立に向けて、正式な協議を開始しました。

 設立に当たっては、先駆者である日本海ヘルスケアネットを運営する地方独立行政法人山形県・酒田市病院機構の栗谷義樹理事長に直接ご指導いただき、医師会などの関係団体に対し、法人設立の目的、効果などを説明するなど、設立の準備を進めてきました。

 この「ふじのくに社会健康医療連合」の設立に向けた取り組みにより、医師確保のめどが立ったことが、桜ケ丘病院の存続決定に寄与したと感じています。


―具体的な効果は。

 医師の交流については、法人設立当初に、当院の元副院長が桜ケ丘病院副院長として着任した他、現在は、常勤の医師1人に加えて、複数の非常勤医師らが在籍出向の形で桜ケ丘病院に勤務しています。今後は、新病院の建設や清水区の中心地という立地条件などが相乗効果となり、桜ケ丘病院の医師確保につながっていくと考えています。

 21年4月に開学した静岡社会健康医学大学院大学が、同年6月、「ふじのくに社会健康医療連合」に参画しました。同大学では、医師を含め研究員の交流や県立総合病院の図書館など、研究施設の共同利用を行います。また、浜松医科大学と共同で行っている県の医学修学資金受給医師の配置調整業務を、静岡県立病院機構と連携して実施しています。

 事務局は、静岡県立病院機構法人本部に設置し、社員総会、理事会運営などの庶務を担当。医師らの人事交流といった個別の業務連携では、担当部署同士が直接協議するなどして、業務連携を進めています。


―今後は。
 静岡県立総合病院は、全ての診療科が、文部科学省より、科学研究費の対象研究機関としての指定を受けており、院内には3600平方㍍の広さの研究施設、リサーチサポートセンターを設置しています。

 今回の地域医療連携推進法人の中で、静岡社会健康医学大学院大学とリサーチサポートセンターとの連携強化により、一層の研究環境充実に努めます。また、慶應義塾大学大学院医学研究科と連携協力に関する協定を締結し、意欲のある医師に研究や学術交流の機会の提供もしています。

 今後も、こうしたさまざまな取り組みを通じて、静岡県の地域医療に貢献する志を持った医師の確保、育成に貢献していきます。

 静岡県立病院機構
静岡市葵区北安東4─27─1
☎054─200─1610(本部事務部)
http://www.shizuoka-pho.jp/

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