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地域医療のニーズに応えられる病院づくりに励む

地域医療のニーズに応えられる病院づくりに励む

医療法人   小西  正洋 理事長・院長 (こにし・まさひろ)
2000年慶應義塾大学医学部大学院医学研究科(消化器内科学専攻)卒業、
医学博士。慶應義塾大学病院消化器内科勤務を経て、2010年から現職。

  病院の在り方にも変化が求められる今日。地域の医療ニーズに応えようと奮闘している病院がある。小西第一病院は、2018年、リハビリ施設を拡充。小西正洋理事長・院長の思いとは。

―リハビリテーション施設リニューアルの理由は。

 厚生労働省の在宅復帰推進への方向性や地域の医療ニーズを考慮し、2014年に地域包括ケア病床を設けました。中小規模の病院では、かつての〝治す〟医療から〝治し支える〟医療へと担うべき方向が変わってきており、そのような患者さんを受け入れる病床です。急性期治療を終えた患者さんに、在宅に復帰していただくためには、リハビリテーションが必須です。そのために、当院ではリハビリ施設の拡充が不可欠だと判断しました。

 もともと病院の4階にあったリハビリ室を1階に移動。110平方㍍のリハビリ室が195平方㍍に拡張され、広々とした開放感のあるスペースになっただけでなく、自然光がよく差し込む、明るい施設になりました。和室やミニキッチン、浴室などがあるADL室も新たに設置。これによって自宅環境に近い状態での動作訓練ができるようになっています。

 サスペンションを生かしてエクササイズするリハビリツール「レッドコード」も導入しました。運動学に基づき関節の可動域を広げ、筋力を強化するための機器で、リハビリをより効果効率的に進めていくことが可能となりました。リハビリスタッフは、理学療法士9人、作業療法士4人、言語療法士1人(2019年1月現在)。各患者さんの状態に合ったリハビリの提供に努めています。


―心がけていることは。

 患者さんの入院前から、どういった方が紹介されてくるのか、どのような医療を提供するのか、患者さんに添ったどんなリハビリが必要なのか、さらには当院でどんなサポートができるかなどの情報を収集し、チーム医療を行っています。

 多職種のスタッフが関わり、リハビリ目的で入院する患者さんに同行してくるご家族から患者さんの社会的背景や希望などをよく聞くことや、今後さらにどのような設備や介護者が必要になるか、患者さんの満足度はどうなのかといったことも確認していきます。

 誰しも人間ですから、当然、失敗をすることもあります。そうした経験も含め共有することで、一つの失敗から多くのことが学べることができ、スタッフのスキルアップにもつながっていくと考えています。


―在宅復帰率70%以上を維持するための方策は。

 70%というのはあくまでも最低ラインで、実際の当院の在宅復帰率はもっと高い数値で推移しています。

 在宅復帰率を上げるために欠かせないのが、「チーム医療」。関わる全職種が情報を共有し、客観的な評価がわかるようにデータ化し、経時的に追っていきます。そのデータを基に、患者さんの思い、ご家族の願いに沿って退院までに最大限のアウトカムが得られるよう、多職種のスタッフがサポートしていく形です。

 われわれ医師は、問診や検査の結果から、疾患にアプローチしていきます。他の職種のスタッフは、患者さんの院内での様子から、患者さんが自宅で不便を感じる段差はどの程度なのか、摂取しやすい食事の形状は…など、さまざまなことを知る機会があります。医師や各職種のスタッフが、自分の専門性を生かし、感性をもって、気づいたことや考えたことを発言する。当院が在宅復帰率の高さを維持できているのは、そういった土壌があることに加え、近隣医療機関・施設との強い連携があって成し得ているのだと思います。

 どんなに年齢を重ねても、どんな状態でも「もっと良くなる」という気持ちを患者さんに持っていただけるようにしたいですね。いろいろな意見を聞き、地域医療のニーズに応えていきたいと願っています。


医療法人  小西第一病院
福岡県筑紫野市石崎1―3―1
☎ 092―923―2238(代表)
https://www.konishidaiichi-hp.or.jp/


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