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地域医療に貢献できる病院であるために

地域医療に貢献できる病院であるために

 宮城 淳副院長・外科部長 地域連携室室長(みやぎ・じゅん)
1991年琉球大学医学部卒業。国立病院機構沖縄病院、沖縄県立那覇病院、
琉球大学大学院病理学教室を経て、2003年沖縄赤十字病院入職、2018年から現職。

 沖縄県の災害医療、急性期病院として地域医療に貢献する沖縄赤十字病院。昨年4月に副院長、そして地域連携室室長に就任した宮城淳氏に、沖縄における同院の役割、呼吸器外科医として感じている現状、そして描く未来について話を聞いた。

―副院長および地域連携室室長になられました。

 まず地域連携室の室長としては、患者さんの多くが紹介で来院されますので、地域の開業の先生との関係性を保つことが仕事になります。全部の病院を回ることはできませんので、各地区の班長である先生を訪問し、リハビリテーション施設やベッドの空き状況などを把握し、長期入院が必要な患者さんの再紹介なども相談しています。

 副院長は外科と内科の2人体制で、主な仕事としては現場と病院管理。臨床も行いながら、ほとんどは現場の調整です。客観的な立場で、医師、看護師や職員の意見を聞き、調整を行うのが仕事になります。

 今、課題だと感じているのは、救急対応も多く、研修医を受け入れるだけのマンパワーが足りていないこと。さらに当院には糖尿病の医師が不在で、血液内科医も1人だけという状況で、どうしても紹介に対してお断りすることがあることです。


―沖縄県の地域災害拠点病院になっています。

 沖縄県においては当院が災害救急・災害訓練ともに中心となっています。災害救護に行くための救護班は医師1人、看護師3人、事務が2人と決まっています。複数の班があり、日ごろからそれぞれが訓練を行っています。

 被災地へは一つの班が1週間担当し、次の班へと交替。メンバーが不在の間、病院内での勤務は残っているスタッフで補います。そういう意味では、災害の際には病院全体で応援をしている状況です。


―呼吸器がご専門です。沖縄で肺がんが多い原因は。

 大学では肺がんの研究室にいました。沖縄県に肺がんが多く、死亡率も高い原因としては、かつて沖縄固有のタールの高いたばこがあったことが言われています。他にも東南アジアなどに多いヒトパピローマウイルスが要因である可能性や沖縄固有の土、こちらではクチャと言いますが、これを吸っていることが原因ではないかと研究している人もいます。最近では黄砂の影響も考えられています。

 近年は健診が広まってきて、健診で見つかるケースが多くなっています。特に最近増えている肺腺がんは症状が出にくいため、早期発見で治療ができていることは良い傾向でないかと感じています。

 治療としては胸腔鏡手術、放射線抗がん剤、免疫チェックポイント阻害剤、分子標的薬を使った治療などスタンダードな治療はすべて行っています。昨年7月には、緩和ケア病棟を開設しました。急性期病院で、緩和ケア病棟があるのは沖縄では当院だけです。評判も良く、病棟の環境、診療報酬の面で考えても、つくって正解だったと思っています。


―3年後の病院のイメージは。

 24時間対応できる病院を目指しています。そのためには研修医を増やし、また例えばロボット手術など先進的な治療を取り入れたいと思っています。ただ、維持費もかかるので経営を圧迫する可能性もあり、副院長になって、投資と収益の関係をよく考えるようになりました。

 昨年度、沖縄県から「」の指定を受け、今年度からはより強化していく予定です。呼吸器科としては、肺がんや気胸などに対応するセンターができればと考えています。当院には呼吸器外科が私1人、呼吸器内科4人。手術に対応する外科医が沖縄県全体で不足しています。まずは沖縄県の外科医を増やすことが目標です。


沖縄赤十字病院
那覇市与儀1―3―1
☎098―853―3134(代表)
http://www.okinawa-med.jrc.or.jp/

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