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地域医療に貢献する総合的な消化器内科医を育成

地域医療に貢献する総合的な消化器内科医を育成

東北医科薬科大学医学部 内科学第二(消化器内科)教室
教授(さとう・けんいち)

1988年東北大学医学部卒業。米国立がん研究所、
東北大学病院消化器内科、宮城県立がんセンター研究所などを経て、2017年から現職。
2019年から東北医科薬科大学病院副病院長兼任。

 東日本大震災を受け、東北地方の復興を医療面から支えるため、37年ぶりに文部科学省から新設が認められた東北医科薬科大学医学部。2016年の開設から4年が経過し、医学部としての環境整備も進んでいる。消化器内科教室を率いる佐藤賢一教授に、現状と今後の教室運営を聞いた。

―医学部開設までの歩みを教えてください。

 東北地方の薬学教育と研究の先導的役割を担う教育機関を目指し、1949年に設立された東北薬科大学が始まりです。附属癌(がん)研究所(現:分子生体膜研究所)の開設、大学院設置など意欲的な教育、研究、学校運営を伝統にしています。

 2014年に文科省の「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」で、本学の構想が選定され、2016年に現在の名称に変更して医学部がスタートしました。第1期生は現在、5年生になっています。

―教室の運営について。

 当医学部の使命は、「東北地方の医師不足の対応と被災地復興の支援」です。使命を果たすためのさまざまな制度、教育プログラムを用意しています。例えば学生は1学年100人を定員に、地域枠と一般枠に分けて募集します。地域枠の55人は、東北各県から奨学金を受けて学ぶ代わりに、医師国家試験合格後は、東北地方の医療機関で、最長10年を限度に勤務することが条件になっています。

 特色のある教育プログラムとして、東北各県にある提携病院で入学時から実施する、「地域総合診療実習」があります。

 地域医療は地理的条件、気候風土、住民の年齢分布などにより、必要とされる医療の在り方が変わります。医療現場を実際に見学し、医師や地域住民と意思疎通を深める滞在型の臨床実習の実施。学生に、早い時期から医師としての使命感や将来像を明確に意識付けることを目的としています。

―消化器内科教室は医学部開設の翌年からですね。

 2020年で3年が経過しました。医学部設立の目的に沿って、地域医療に貢献する消化器内科医の育成を目指すほか、研究室では肝疾患の基礎研究や肝がんの増殖関連分子の研究なども行っています。

 診療は、上部消化管、下部消化管など4チームで行っています。地域医療支援として各地域の病院に、毎週、あるいは隔週で外来および消化器内視鏡の応援診療も実施しています。卒業生が入局してくると、各地域の病院へ常勤医として派遣することが可能になると考えています。

 現在、教室のスタッフは20人ほどいます。臨床に意欲を持った若手が多く、スキルを磨くことに毎日励んでいます。女性医師も活躍しており、子育て世代にも優しい職場環境も心掛けています。

―今後について。

 東北は都市部を除き、地方へ行くほど診療所のような小さな病院が主体です。赴任しても消化器医は自分1人しかいない、というところが多くあります。

 そのような医療現場では、患者さんの年齢や性別、さらには臓器の垣根も越えて診療ができるGP(ジェネラル・プラクティショナー)でなければ、地域の医療ニーズを満たすことができません。私の使命は、〝総合消化器病医〟と言えるような医師を育てることだと考えています。

 東北医科薬科大学病院での診療4チームでは、助教クラスの若手の場合、数カ月ごとに各チームをローテーションし、広い知識、知見、スキルがより多く身に付くようなプログラムを実施しています。

 今後は、さらに多くの症例や患者さんを診ることができる体制構築に本格的に着手したいと考えています。学生や若手スタッフと共に、東北医科薬科大学医学部の新たな歴史を築いていきます。


仙台市宮城野区福室1―15―1
☎022―259―1221(代表)
http://www.tohoku-mpu.ac.jp/medicine/lab/gastroenterology/

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