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地域医療と高度医療の橋渡し機能を強化

地域医療と高度医療の橋渡し機能を強化


病院長(みうら・しんいちろう)

1988年福岡大学医学部卒業。
米クリーブランドクリニック・ラーナー研究所、
福岡大学病院循環器内科診療部長などを経て、2019年から現職。
福岡大学医学部心臓・血管内科学主任教授兼任。

 福岡大学西新病院は2018年4月に福岡市医師会成人病センターを事業継承した福岡大学の三つ目の病院である。2代目病院長に就任した三浦伸一郎氏は「地域医療のニーズを見直して発展的改革を実現したい」と意欲的だ。

ニーズを捉え発展的改革へ

 福岡大学西新病院の機能は、事業継承を契機に地域医療と福岡大学病院など高度専門医療機関とを橋渡しする中核病院としての位置付けを一層明確化した。前身の福岡市医師会成人病センターの精神「地域密着」を尊重しつつ、福岡大学の3病院が共有する「あたたかい医療」を加え基本理念を「地域に信頼されるあたたかい医療の提供」と定めた。

 「病院機能の発展的改革」を掲げる三浦病院長は、ニーズを掘り起こす必要性を痛感し、就任と同時に地域の診療所から意見や状況を聴いて回った。

 20カ所ほど訪問した時点で新型コロナウイルス感染症の流行が本格化、やむなく中断したが、クリニック訪問を今後も地道に続けるつもりだ。

 「中核病院として何が求められていて、足りないのは何かを把握して改革していきたい。経営のことを考えて診療科の見直しも一つひとつやっていきたい」

断らない医療

 循環器救急疾患については、迅速な対応ができる体制を整えている。「具体的には、緊急冠動脈カテーテル治療や集中治療により、急性心筋梗塞や重症心不全の急患にも、24時間体制で365日対応が可能となっています」

 消化管出血などの緊急内視鏡も24時間体制で取り組んでいる。「上部内視鏡検査は年間約4000例、下部内視鏡検査が年間約2000例と、年々増加傾向にあります。さらに、入院しての内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)など消化器疾患の治療も積極的に行っています」

 これらの体制の強化に加え、さらには呼吸器内科と小児科が開設されたこともあり、2019年の救急車受け入れは約500台。「断らない医療」を目指す。「120床規模の病院としては多い方だと思います。それだけ地域のニーズがあるということです」。

 15床の入院治療に絞った小児科は、2014年に福岡市立こども病院が東区へ移転したことで、同市西部地域で不足している小児科入院施設を補完する目的を持つ。小児科専門医が常駐、夜間の急患にも対応している。

 学校心臓検診や人間ドックを担当する健診部門では、ドックのオプションにストレスチェックや脳梗塞・心筋梗塞の予防検査「LOX-index」を導入した。

職員全員参画で地域に貢献する

 「地域医療連携の推進、質の高いチーム医療と切れ目のない医療の提供」を掲げる基本方針に加えて、循環器専門医などの指定研修施設でもあることから「臨床・教育研究の推進と地域医療に貢献できる質の高い医療従事者の育成」を担っている。

 三浦病院長は「全員参画の健全な病院経営」を強調しており、職員は福岡大学病院からの出向者が多くを占める医師をはじめ、看護師、臨床検査技師、放射線技師、理学療法士、医療ソーシャルワーカー、地域連携センターなど約180人が在籍する。

 「診療も教育研究もチームで取り組んでいかないと、うまくいきません。どうすれば病院が患者さんや地域に役立つのか。、職種や立場を越え、職員間のコミュニケーションを活性化しながら、具体的な提案をしていきたい。最終的にはそれが全員参画の経営につながると思っています」と、力強く語った。

福岡大学西新病院
福岡市早良区祖原15-7 ☎️092-831-1211(代表)
https://www.nishijin.fukuoka-u.ac.jp/

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