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地域包括ケア病棟に全転換 地域へのさらなる貢献を

地域包括ケア病棟に全転換 地域へのさらなる貢献を

医療法人
春日井 貴雄 理事長・院長(かすがい・たかお)
1982 年名古屋市立大学医学部卒業。
同大学病院、国民健康保険上矢作病院副院長、
笠寺病院外科部長などを経て、2017年から現職。

 名古屋市南区にある笠寺病院は、2018年に全ての病棟を地域包括ケア病棟に転換し、大きな注目を集めている。理事長・院長の春日井貴雄氏は次なる展開として、24時間の在宅医療と、大学病院との連携強化などを進め、地域全体の医療体制をさらに強固なものにしようと考えている。


―理事長・院長就任から現在までの主な取り組みは。

 高度急性期病院と在宅医をつなぐ、地域医療の軸となるような病院を目指してきました。その取り組みの一つとして、2018年に全128床を地域包括ケア病棟に転換しました。ポストアキュート、サブアキュートを担う機能が強化され、地域での当院の役割がより明確になったと思います。

 同時に院内のモチベーションも高まりました。病棟転換前、地域包括ケア病棟85床と療養病棟43床の体制だった時は、病棟によって忙しさなどが異なり、職員間で意識のずれが散見されました。同じ病棟だと全員が一つの目的に向かって進むことができます。また、転換後は自宅や施設に戻れる患者さんに対象が定まったことも、職員のやりがいを高める大きな要因になっています。
 
 20年には、「24時間体制の在宅医療」を開始しました。当院では10年から常勤医師による在宅医療を行っていますが、昼間だけでなく夜間の診療も担うのは負担が大き過ぎます。そこで在宅専門の医師を雇用し、当直も任せました。効果は大きく、時間外の呼び出しや問い合わせにも十分対応できています。

 今後は地域で在宅医療を行っている先生方にも、この取り組みを活用してほしいと考えています。開業医の先生が在宅医療をしている患者さんに対し、夜間休日に何かあった場合は当院の医師が対応するようなバックアップ体制をつくっていきたいですね。


―今後の病院運営で推進していく分野は。

 診療報酬の改定によって、将来的に大学病院などの急性期外来は制限、縮小される可能性が高いと思っています。その際、大学病院の先生方は、自分が担当している患者さんを別の施設で診ることになるかもしれません。そこで当院は、「大学病院サテライト外来」としての役割を担いたいと考えています。当院は昔から名古屋市立大学病院と深い関係性があります。今後、多くの先生に外来を活用してもらうことができれば、診療・検査体制などが向上し、結果的に外来機能の強化にもつながるでしょう。

 他にも、同大学病院とはさまざまな点で連携を強めたいと考えています。例えば当院の「消化器内視鏡センター」では、24時間の検査体制を目指し、互いに協力関係を築いていく予定です。また同大学病院側からの依頼を受け、腹腔鏡下手術などに際して当院の手術室を貸し、看護師も当院の看護師が担うという動きも進んでいます。軽症の救急患者の受け入れに関しても、今後はより連携が密になると思っています。

―組織運営で大切にしていることは。

 今後の働き方改革や、高齢者人口がピークを迎え労働力の確保が難しくなる「2040年問題」を見据えて動かなければいけません。

 その一つとして、女性の医師や職員に対し、活躍の場を提供したいと考えています。女性はライフステージの変化により、同じ職場で継続して働くことが難しい面があります。医師の場合、結婚・出産後に医局へ戻りたくても戻れないこともある。そのような人を受け入れることで、人材を確保したいですね。

 当院は常勤医師の当直を免除しており、基本的には定時で帰ることができるので、育児をしながら働くことも可能です。産休や育休を取得しやすい環境も整いつつあるので、女性も安心して長く働ける病院だと思います。

医療法人
名古屋市南区松池町3―19
☎052―811―1151(代表)
https://www.kasadera.or.jp/

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