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地域全体で患者を支える急性期病院としての使命

地域全体で患者を支える急性期病院としての使命


小林 裕 院長(こばやし・ゆたか)

1980年京都府立医科大学卒業、同第1内科入局。
同血液・腫瘍内科学内講師、京都第二赤十字病院血液内科部長、
同副院長を経て、2017年から現職。

 急性期医療を支える中核病院としての役割を担う京都第二赤十字病院。高度急性期・急性期医療に特化しながらも、地域の医療機関や、介護・福祉施設と連携し、地域全体で患者を見守る体制づくりを進める。新たな役割の中で地域医療の質の向上に力を注ぐ同病院の取り組みとは。

―2017年に就任されてからの取り組み、変化は。

 私が院長に就任する少し前に、「医療機関の役割分担と連携」という国の方針に従い、当院は高度急性期医療にかじを切りました。就任直後は、まだそれぞれのスタッフも方向転換に慣れておらず、戸惑いもありましたが、就任後1、2年でようやく定着したと思います。

 かつて当院は、地域のかかりつけ医としての役割も担っていました。しかし、当院は高度急性期病院であり、これからは地域の回復期の病院、かかりつけ医との役割を明確にし、地域全体で一人の患者さんを診ていく必要があります。そのことを患者さんにご理解いただくのに、ずいぶん腐心しましたが、今では患者さんの方から、「日々の通院は近くの診療所で診てもらいたい」という申し出も増え、浸透してきたと実感しています。

 ただ、まだまだ課題もあります。1次診療は地域のかかりつけ医に任せ、必要に応じて病診連携で紹介をいただいています。

 当院の外来診療は予約制です。しかし、紹介状をお持ちでも予約なく来院される患者さんがいらっしゃいます。その場合に備え、緊急性、重篤性の程度を判断して、スムーズに診療できるシステムづくりを、病院全体で細かいところまで想定しながら整えていく必要があります。

―他医療機関との連携について。

 医療機関同士は、役割分担と連携の必要性を十分に理解しているつもりです。しかし、もう一歩踏み込んだ、密な連携の必要性を感じています。

 患者さんは、急性期を過ぎると回復期病院へ転院されるか、在宅に戻られるケースが大半です。しかし、病気によっては、いったん良くなられ、かかりつけ医に逆紹介した後、再度、急性期治療が必要になるケースも多くあります。

 在宅に戻られた後のことを、われわれはまったく知りません。再入院時に患者さんの病態変化を初めて知るのではなく、地域のかかりつけ医が診ていてくださる間の情報も共有することで、効率的かつ的確な診療につながると考えます。

 また、地域全体で患者さんを支えるためには、訪問介護ステーションなど介護機関とも密接にコンタクトをとっていく必要があります。それらの連携が日ごろから、もっと密になるように、そのための会を立ち上げ、さまざまな意見をざっくばらんに話す機会をつくりました。

 日ごろから「顔の見える」お付き合いをしながら情報を交換し、地域全体で患者さんを診る体制づくりを、今後さらに進めていきたいと思っています。

―今後の課題は。

 2004年築のA棟以外は老朽化が著しく、一番の課題は、病院の建て替えです。

 耐震補強改修なども行ってきましたが、ハード面での非効率な部分がとても多く、患者さんにもご迷惑をおかけしています。

 これを解消するためには新しい建物を建てるしかありません。建て替え計画に早急に着手するため、鋭意努力しているところです。

 また医師の働き方改革も課題の一つです。高度急性期病院での医師の働き方は、本来2交代制であるべきだと考えています。しかし、診療科によっては、全国的に医師数が不足しています。

 医療機関の集約化や、人件費など経営的なことも考えながら、どのように折り合いをつけていくかが、非常に重要で大きな課題でもあります。模索しながら、推し進めていこうと思います。

京都第二赤十字病院
京都市上京区釜座通丸太町上ル春帯町355―5
☎075―231―5171(代表)
https://www.kyoto2.jrc.or.jp/

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