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地域住民のQOLを支える病院づくりを

地域住民のQOLを支える病院づくりを

医療法人樹心会 角田病院 角田 祥之 理事長・院長(つのだ・よしゆき)
1999年群馬大学医学部卒業。国立がんセンター東病院大腸骨盤外科(現:大腸外科)、
辻仲病院柏の葉などを経て、医療法人樹心会角田病院院長。2016年から同理事長兼任。

 創設者で父親の角田紘二前院長の後を継いだのが7年前。開院から今年30周年の節目を迎える。角田祥之理事長・院長が目指すのは地域住民のQOLを支える病院だ。

―病院の運営に早くから関わっていたのでしょうか。

 現在の病院建物は2010年に着工。その2年ほど前から運営に関わってきました。もともと当院は内科を中心とした病院でしたが、私が外科医ですので、その経験を生かしたいと考えていました。

 これまでに大腸がんや肛門疾患を中心に臨床に携わりました。千葉県にある大腸肛門疾患の診療が中心の「辻仲病院グループ」での経験は大きな財産です。肛門の3大疾患である痔核、痔瘻(ろう)、裂肛は、がんのように直接命に関わる疾患ではありませんが、患者さんのQOLに大きな影響を及ぼすということを、身をもって知りました。

 ここ玉村町には当院しか病院がありません。また大腸肛門疾患を専門に扱う病院は県内にも少ないのが現状です。

 そのため、従来の内科を中心とした「かかりつけ医」の役割に加え、二つの特徴を持たせました。一つ目が大腸肛門疾患を専門的に扱うこと。そして二つ目が各種疾患に対するリハビリテーションを充実させることです。

 当院では、脳疾患に対して川平法というリハビリに力を入れており、関東一円から患者さんが来院されます。セラピストは約80人で県内有数です。

―大腸肛門疾患の診療についての特徴など。

 県内だけでなく県外、例えば埼玉、栃木、遠い所では長野などからも患者さんがお越しになります。病院から5分ほどの所にスマートインターチェンジがあり、高速道路を利用されている方も多くいます。

 肛門疾患の手術は年間約300例です。ただ、手術だけではなく、診断から手術、リハビリまでトータルな治療を心がけています。

 当院は、基本的に腰椎麻酔で手術を行うため、入院での治療が多くなっています。近隣の医療機関で対応が難しい肛門疾患の患者さんも多く紹介されることから、腰椎麻酔によって肛門を十分に弛緩させることにより、あらゆる状態の肛門疾患に対応できるようにしています。入院期間は平均4〜5日程度です。

 肛門疾患の術後は、排便コントロールが重要であり、食事や服楽の管理、指導を看護師、管理栄養士や薬剤師の多職種で行っています。それによって、術後の出血や痛みの軽減につながり、満足度の向上に寄与しています。

 当院は、個室が多く、全病室にトイレを設置。他の患者さんに気兼ねすることなく療養に専念できます。周辺の緑あふれる景色をベッドからも眺められるよう病室の窓を大きくしている点も好評です。

 また、女性医師が2人いますので、女性の患者さんは気軽に受診できるようです。

―今後の病院運営は。

 「質の向上」を重視し、特に患者さんのQOLを意識したチーム医療を進めていきたいと考えています。

 最近、力を入れているのが、肛門から直腸が脱出する「直腸脱」の診療です。先日来院された高齢の患者さんは「痛みが強いので座ることができず、立って食事を済ませていた」と涙をこぼされました。

 専門医の不在や生命に関わらない良性疾患であることを理由に、十分な治療がされていないことも少なくありません。このような患者さんを1人でも減らしたいと考えています。

 また、高齢者で散見される便や尿の失禁に対して、骨盤底筋を中心としたリハビリでQOLの向上が図ることができないかをセラピストと模索しています。

 将来的には少し手狭になっているリハビリテーション室の新築も検討したいと考えています。人々のQOLを守ることができる病院を常に目指していきたいですね。

医療法人樹心会 角田病院
群馬県佐波郡玉村町上新田675―4
☎0270―65―7171(代表)
http://www.tsunoda.or.jp/

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