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地域住民の最後の砦として先進・高度な医療を推進

地域住民の最後の砦として先進・高度な医療を推進

山梨大学医学部附属病院 武田 正之 病院長(たけだ・まさゆき)
1981年新潟大学医学部卒業。米ニューヨーク大学メディカルセンター留学、
山梨大学医学部泌尿器科学講座教授、医学部長などを経て、2017年から現職。
同大学理事(医療担当)、副学長を兼任。

 現在、新病棟の建設、外来診療棟・中央診療棟などの建物改修を行う再整備事業が進行している山梨大学医学部附属病院。施設の老朽化などで低下した病院機能の充実を図り、より一層の地域医療への貢献、山梨県全体の医療レベルの向上を目指している。武田正之病院長が目指す未来像は。

―病院の特徴、地域における役割は。 

 山梨県唯一の特定機能病院として、高度医療の提供と新しい医療の開発を推進し、地域住民の最後の砦(とりで)となる医療機関を目指しています。患者さんは、山梨県内はもとより、近隣の長野県や静岡県から県境を越えて来院されます。

 高度医療に関しては、循環器系疾患、がん領域を中心に、低侵襲的な最新技術を導入。2017年には、開胸外科手術を要しない低侵襲の「経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)」をハイブリッド手術室で実施しました。外科的な置換術のリスクがある高齢者などに有用で、 TAVI の症例数は着実に増えています。

 ロボット支援内視鏡下手術(ダビンチ手術)は、2013年に県内で1例目となる前立腺がん根治術を実施して以来、腎細胞がんなど、私の専門である泌尿器科の手術だけで2018年末までに300例を超えています。現在、膀胱がんや肺がん、胃がん、直腸がん、子宮がんの手術などに使用していますが、来年以降はさらに拡大が予想されます。

 ロボット手術は、患者さんにとって低侵襲、QOLの向上などのメリットがありますが、若手医師の育成にも有用です。手術時間が短く、症例数の多い前立腺がんでは、視野が広く、操作性が良いので、若手医師の技術習得に適しています。

 放射線治療センターに、高精度な強度変調放射線治療が可能なトモセラピー、高精度な定位照射が可能なCT一体型リニアック、さらに画像誘導小線源治療システムなどの最先端放射線治療装置が導入されています。ちなみに、当院の関連施設にはサイバーナイフ治療装置と陽子線治療装置を導入。高度ながん治療が可能になっています。

―新病棟の新設・改修が進められています。

 すでに開院している新病棟Ⅰ期棟には、先述したハイブリッド手術室やロボット手術などの手術室があります。可動式3テスラMRI設置手術室や、手術室内撮影装置のO―armも導入しており、高度な脳腫瘍手術や脊椎外科手術が可能となりました。

 現在着工している新病棟Ⅱ期棟では、入退院支援の機能充実を計画しています。他県の特定機能病院では、入院から周術期、退院までの管理、転院先の相談などを一括して行う「患者総合サポートセンター」を設置し、患者サービス、スタッフの業務軽減、経営改善に役立てています。

 当院もその取り組みを参考にして、新病棟Ⅱ期棟に「患者総合サポートセンター(仮称)」を設置する予定です。

 退院するに当たり、地理的、また家庭の事情などから、転院先が決まらない患者さんがいます。新しい「患者総合サポートセンター」では、入院時に転院先も含めてフォローするなど、スムーズな地域連携を目指したいと考えています。

―将来の展望について。

 近年の外国人による富士山ブームに伴い、山梨県への観光客が急増しています。また、東京~名古屋間を走るリニア中央新幹線が完成すれば、より多くの外国人が来県するでしょう。

 外国人観光客の受け入れについては、すでに当院でも検討を続けています。外国人居住者も含めた対応や、翻訳者の確保や標示の設置、さらには大学同士の交流なども含めた「国際医療部門」を将来的につくっていく必要があると考えています。国際レベルの医療技術への研鑽(さん)と、環境整備を目指していきます。

山梨大学医学部附属病院
山梨県中央市下河東1110
☎055―273―1111(代表)
http://www.hosp.yamanashi.ac.jp/



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