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地域ニーズに応える新病院で変革を

地域ニーズに応える新病院で変革を

地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター
病院長(やまぐち・せいじ)

1982年大阪大学医学部卒業。
箕面市立病院、市立池田病院、大阪急性期・総合医療センター副院長などを経て、
2020年から現職。

 呼吸器・アレルギー疾患に強い大阪はびきの医療センターは、2023年の新病院開院に向け機能強化を目指している。その命を受けて就任した山口誓司病院長が目指す病院の姿とは―。

就任直後からコロナ対策に奔走

 急性期、がん、精神、母子など各領域に特化した5病院を擁する大阪府立病院機構。結核医療を担う病院として開院し、現在は難治性の呼吸器疾患やアレルギー疾患の専門病院として政策医療の一翼を担っているのが、大阪はびきの医療センターだ。

 2020年2月にはクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れた。コロナ専用病棟の運用が本格化した渦中での就任となり、「就任以降、コロナ対応にずっと追われてきたというのが実情です」

 年間1000件近くの分娩を扱っており、地域医療の機能を残しつつも、コロナ患者の受け入れを続け、「南河内地区の医療崩壊はなんとしても防がなくてはならない。協議を重ねてギリギリの体制で運営してきました」。秋口からは酸素吸入が必要な重症に近い患者が増え、重症患者も受け入れている。その分、看護師ら職員の負担は増し、再度の緊急事態宣言下で予断を許さない状況が続いている。

総合病院化へ変革のチャンス

 コロナ禍を、変革のチャンスでもあると捉えている。

「呼吸器感染症の医師だけが対応すればいいという訳にはいかない。全員ができることをする。一丸となって立ち向かわないとどうにもならないということが教訓になっています」

 今後は、専門性を維持しながら、一般診療科を強化し、地域の基幹病院として機能強化を図っていく。その実現には、幅広い分野で地域に貢献する病院にならなければいけないという、組織全体の意識を変えていくことが自身の重要な責務だと考えている。

 これまで泌尿器科医として自分が組織の中でどう貢献できるかを常に考え、一人の判断ではなく多くの考えを取り入れることを大切にしてきた。職員に向けて粘り強く今後の目指すべき方向性を伝えて理解を深めることができれば、一丸となって未曽有の事態に対応している今だからこそ、実現に近づくと信じている。

 2020年には、非常勤医師による泌尿器科外来を新設。縮小していた眼科には2人の常勤を迎え、体制を強化した。4月には泌尿器科に常勤医師が着任して手術も開始する予定で、収益性も踏まえ急性期の治療に力を入れていく。

建て替え進む医師確保も課題

 建て替えが進む新病院は、現在の12階建てから低層の6階建てとなり、ワンフロアに診療科を集約することで行き来がしやすくなるようにした。感染病棟は、新型コロナ対応の経験から、パーティションで仕切りながらブロックごとに増床できる構造にし、新たな感染症の発生にも備える。

 開設に向けた喫緊の課題は医師の確保で、リクルートのために足しげく大学病院などに足を運んでいる。大阪の南に位置し、府内の大学病院に対する派遣要請では地理的に不利な条件も抱えているが、「各診療科が十分に機能を発揮して実績を残すことが一番大切です」と話す。

 重責がのしかかる多忙な日々を送っているが、健康維持のために電車通勤を選び、駅ではエスカレーターを使わず「絶対に」階段で上り下りしているという。

 専門性を維持しつつも、総合病院化を目指すという大きな目標を掲げ、「社会全体が変貌しつつある今、病院も変革が求められている。このチャンスを生かしていきたいですね」と力を込める。


大阪府羽曳野市はびきの3ー7ー1 ☎072ー957ー2121(代表)
http://www.ra.opho.jp/

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