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地域を見据えた連携の軸は患者さんへの思いやりの心

地域を見据えた連携の軸は患者さんへの思いやりの心

地方独立行政法人 山形県・酒田市病院機構 日本海総合病院
病院長(しまぬき・たかお)

1980年山形大学医学部卒業。
米南カリフォルニア大学医学部留学、山形大学医学部第2外科助教授、
山形県・酒田市病院機構日本海総合病院副院長などを経て、2016年から現職。

 2008年、旧山形県立日本海病院と旧酒田市立酒田病院が再編・統合され、地方独立行政法人として再スタートを切った。再編・統合によって黒字化を果たし、医療設備への投資も積極的に実施する。再編・統合の準備段階から関わってきた島貫隆夫病院長の思いとは。

―統合までの概要は。

 山形県には四つの2次医療圏があり、当院は人口約28万人の庄内医療圏にあります。統合した旧酒田市立酒田病院は1947年に設立。一方、旧山形県立日本海病院は1993年に開設。場所は市立酒田病院からわずか2㌔㍍ほど。両院共に急性期病院として競合しつつも、地域医療に貢献してきました。

 ところが、酒田病院が建物の老朽化や医師不足などが原因で患者数が減少。建て替え問題も浮上し、最終的には「競合よりも統合」という方針となりました。

 2病院で合計928床の病床数を約2割減の760床にし、病院の機能分化を明確化。日本海総合病院には急性期医療の機能を集約。酒田病院跡地で開院した日本海総合病院酒田医療センター(現:日本海酒田リハビリテーション病院)は、回復期から慢性期を担っています。

―統合までの概要は。

 山形県には四つの2次医療圏があり、当院は人口約28万人の庄内医療圏にあります。統合した旧酒田市立酒田病院は1947年に設立。一方、旧山形県立日本海病院は1993年に開設。場所は市立酒田病院からわずか2㌔㍍ほど。両院共に急性期病院として競合しつつも、地域医療に貢献してきました。

 ところが、酒田病院が建物の老朽化や医師不足などが原因で患者数が減少。建て替え問題も浮上し、最終的には「競合よりも統合」という方針となりました。

 2病院で合計928床の病床数を約2割減の760床にし、病院の機能分化を明確化。日本海総合病院には急性期医療の機能を集約。酒田病院跡地で開院した日本海総合病院酒田医療センター(現:日本海酒田リハビリテーション病院)は、回復期から慢性期を担っています。

―二つの病院を融合させるための具体策など。

 統合への移行準備は3年ほどかけて進めました。同じ公立病院と言ってもその文化は違います。点滴一つとってみても考え方もやり方も違う。医療安全の観点からも問題でした。

 そこで業務改善委員会を立ち上げ、業務一つひとつをリスト化し、共有しました。私が委員長を務め、その最初の大仕事として、ほぼ毎週ディスカッションを実施。1年間で500項目程度を洗い出しました。

 業務の手順が大きく異なっていたのが看護部でしょうか。作業の確認法などを丁寧に共有化し、かつ現場での徹底に努めました。

 カルテの問題もありました。一方は紙カルテで一方は電子カルテ。医師を中心に、統合に向けて紙の情報を短期間のうちに電子カルテに入力していきました。

 経営面では地域の開業医の先生方との病診連携を再度構築。紹介いただいた患者さんは、かかりつけ医に情報を伝えて戻すという、一連の流れを丁寧に進めるようにしました。こうして統合前に比べ手術件数だけでみても年間約1000件増加がみられたのです。

 地域の課題はそれぞれ違いますので、当院の方法がどこでも通用するとは思いません。しかし、人口減少社会を見据えると、自分だけが生き残るという考えを捨て、一歩踏み込んで機能分化と連携を考えることが地域の医療福祉の質の向上につながると思います。

 病院の運営の基本は、患者さんへの思いやりの心であると、私は考えます。その基本がぶれてはいけません。

―地域や他業種との連携が進んでいます。

 地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」には、庄内地域の3病院の他に地区医師会、歯科医師会、薬剤師会が参加し、2018年4月から活動開始。診療機能の集約化、機能分担などを進め、地域包括ケアシステムの構築を目指します。

 ICTを活用し、患者情報を共有する医療情報ネットワーク協議会「ちょうかいネット」には4万人を超える患者さんが登録しています。当ネットには福祉施設が参加しており、職種によってアクセスできる情報に違いはなく、職種別にアクセス日数を分析したところ、ケアマネジャーが平均16日。患者さんの状態を見ながらケアプランを作っているようです。薬局のデータも見られますので、これを活用すれば多剤併用を防ぎ、医療費削減にもつながると考えています。

 秋田県とはICTによる広域連携を検討。県を越えた連携は全国でも例がなく新たな医療連携が期待できるのではないでしょうか。


山形県酒田市あきほ町30
☎0234―26―2001(代表)
http://www.nihonkai-hos.jp/hospital/

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