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地域の結びつきを強める「ハブ」でありたい

地域の結びつきを強める「ハブ」でありたい

医療法人社団啓友会
吉澤 潔 理事長・院長(よしざわ・きよし)
1978年徳島大学医学部卒業。同附属病院(現:徳島大学病院)、
国立善通寺病院(現:四国こどもとおとなの医療センター)、
高松赤十字病院などを経て、2014年から現職。

 高松市東部の地域医療を支える久米川病院。頼られる「」の役割を担い、また高度医療と在宅療養の間をつなぐ「かけはし」の医療機関としても機能する。「この病院だからこそできることがある」と語る吉澤潔理事長・院長が今、感じていることは。

―病院の役割について教えてください。

 当院は、地域密着型の49床の病院です。かかりつけ医であると同時に、ベッドを持たない近隣の開業医の先生方とも連携し、緊急性が高く、入院が必要な患者さんにも対応します。

 もう一つ、基幹病院での治療を終えた患者さんが自宅での療養に入るまでの「ワンクッション」としての役割もあります。退院後のリハビリに取り組んでいる時期や経口摂取が可能になるまでの間、あるいは痛みがおさまるまでなど「踊り場」のような役目があります。主に香川大学医学部附属病院、香川県立中央病院、高松赤十字病院で治療を受けた患者さんを受け入れます。

 病床の内訳は43床の急性期病床、昨年12月に開設した地域包括ケア病床6床です。急性期病床の在院は3週間まで。地域包括ケア病床はもう少し長く治療が必要な方で、在宅復帰が可能な患者さんが対象です。開設して数カ月、非常にニーズが高いことを実感しているところです。

 2016年に地域連携室を設置しました。基幹病院をはじめ、医療や介護の各種施設、行政機関とのネットワークを広げ、患者さんや医療関係者の相談にも応じています。昨夏、当院のグループ会社が介護複合施設「ハーブス」を隣接して設立しました。施設間での連携を進めています。

 かねてから取り組んできた訪問診療については、昨年9月、院内に訪問看護ステーションを開設。居宅支援事業所と共に、在宅医療や、在宅療養に不安を感じている方々の支援に注力しています。


―2014年に着任した当初、どのような思いをお持ちでしたか。

 高松赤十字病院に勤めていた頃、地域連携室を担当した経験がありました。当院にも必要だと感じましたので、着任後すぐに地域連携室の開設に向けて動きました。

 高松市在宅医療介護連携推進会議による在宅医療コーディネーター養成事業の講座を看護師に受講してもらいました。そうして専門性を身につけた看護師、そしてソーシャルワーカーの2人体制でスタートしました。

 私は胸部外科、呼吸器外科などで緩和ケアにも携わっていました。高松市で事実上唯一の緩和ケア病棟を有する高松平和病院と連携を図り、緩和ケアが必要な患者さんを当院で引き受ける体制もつくりました。

 また、高松赤十字病院で化学療法を受けている患者さんで、次の治療までのインターバルの期間に自宅に戻るのが難しい方を引き受けることもあります。レスパイト入院に対応できる医療機関がこの地区には少ないからです。

 治療を終えた患者さんが退院して在宅に移行するまでの間をつなぐ病院、あるいはターミナルケアが可能な病院があればと、常々思っていました。そこで当院への着任を機会と捉え、思い描いていた病院を実現したいと考えたのです。コンパクトな病院だからこそできることを追求していくつもりです。


―病院の変革は、さらに進んでいるようですね。

 昨年4月に皮膚科を開設しました。この領域では珍しい専門医による訪問診療も始めました。また、昨年末、総合内科専門医も着任。内科の分野もさらに充実させていく予定です。

 私たちの力だけでできることは限られています。地域の中でさまざまな病院や施設の間を結びつける「ハブ」になる─。そうすることで、高松市東部の地域医療を支えていくことができると信じています。


医療法人社団啓友会 久米川病院
高松市新田町甲474―3
☎087―844―3111(代表)
http://kumegawa-hsp.jp/

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