九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

地域の役割分担を明確に働き方改革にも着手

地域の役割分担を明確に働き方改革にも着手


院長(よしむら・ひろし)

1987年島根医科大学医学部(現:島根大学医学部)卒業。
米南カリフォルニア大学留学、大腸肛門病センター高野病院、島根大学医学部附属病院、
那珂川病院副院長などを経て、2019年から現職。

 喜悦会グループの中核を担い、60年の歴史を刻む那珂川病院。162床の中規模病院ながら診療科目は多く、救急から訪問診療まで守備範囲は広い。吉村寛志院長は、社会構造の変化と厳しい医療情勢に対応しながら「地域密着型の病院であり続けたい」と語る。

―病院の特色と展望は。

 患者さんのあらゆる局面に対応できる病床機能があるのが大きな特徴です。162床の内訳は「7対1」の急性期が67床、地域包括ケア25床、回復期リハビリテーション46床、緩和ケア24床。外来は救急、透析、健診センターと間口が広く、病床機能と各種の診療機能を複合して地域の期待に応えていると自負しています。

 福岡市南区の南端という立地条件で、創立60周年を迎えられたのは、病診・介護施設との連携があるからです。南区には公的病院、高度急性期病院、クリニックが多く、ネットワークを構築し、役割分担がきちんと機能しています。

 当院の役割の一つは1次、2次救急です。年間1200件の救急車搬送があり、少しずつ増加しています。

 救急医療を担う病院に共通する課題ですが、常勤医だけで当直体制を組むのが厳しい状況です。大学などの先生に当直に入っていただいていますが、マンパワーの確保は悩ましい問題です。しかし、救急医療をやめるわけにはいきません。1次、2次救急の役割を担い、今のペースを維持していくことが、地域のためになると考えています。

 通常の診療においても、産婦人科と小児科以外にはある程度対応できています。新患外来数は毎月600人程度で推移しています。住民の多様なニーズに応えられるよう急性期から回復期・緩和ケアまで整えていますが、次の診療報酬改定ではこの体制を維持できるか難しいところです。診療領域が幅広い、臨床経験豊かな医師が多いので、そのパワーを生かして現体制を維持し、病院全体で地域における総合診療医的役割を果たしたいと考えています。

―いち早く働き方改革を進めています。

 働きやすい環境づくりとキャリアアップに力を入れ、ワークライフバランスを推進しています。全職員390人の8割が女性なので、出産・子育てを理由とした離職を防ぐため、2008年に院内保育園を開設しました。子育てしながらキャリアアップが目指せる環境を整えたことで、看護師の定着率が上がりました。

 介護休暇も取得できます。給料日は「ノー残業デー」にするなど知恵を絞って定時退社を実行。看護師180人全員の1カ月の平均残業時間は120分です。

 福利厚生の一つで、職員用にプロ野球とJリーグを観戦できる年間シートを確保。夏祭りやビアパーティー、忘年会、さらにヨガや美文字教室などサークル活動も盛んです。

 医療の現場は、精神的に疲弊しがちです。定期的なストレスチェックや臨床心理士による面談などメンタルヘルスのフォロー体制も充実しています。職員が楽しく生き生き働いていることは、地域や患者さんの信頼を得ることにもなります。

―新病院を建設中です。

 福岡市の隣の那珂川市に、99床の病院を新築中です。2021年春の開院を目指しています。筑紫野市にある系列の「ちくし那珂川病院」(111床)の病床を移転する形です。グループの核である那珂川病院の患者さんの4割は那珂川市と春日市から来られています。那珂川市では病床数が不足しているため、新病院をつくることで地域に貢献できると考えています。

 那珂川病院周辺には、喜悦会グループの住宅型有料老人ホーム「オレンジハウス清和」や「デイサービス清和」を展開しています。時代の変化に対応したグループ内の連携強化が、今後は必要になってくるでしょう。

社会医療法人喜悦会 那珂川病院
福岡市南区向新町2―17―17
☎092―565―3531(代表)
http://www.nakagawa-hp.com/

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