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地域の専門病院としてQOL向上に貢献を

地域の専門病院としてQOL向上に貢献を

   中澤  宏之 理事長・院長(なかざわ・ひろゆき)
1991年高知医科大学医学部(現:高知大学医学部)卒業。
カナダ・ブリティッシュコロンビア大学精神科研究員、
高知医科大学医学部附属病院神経科精神科助手、
国立療養所東高知病院神経内科勤務などを経て、2015年から現職。

 4月に開院50周年を迎える南国病院。当時から変わらない地域医療への思いは、現在にもしっかりと引き継がれている。

―病院の歴史について。

 当院は1969年に80床の精神科・内科の病院としてスタートしました。先代の院長であった父が、患者さんの個別性を尊重し、自由で温かい医療を提供しようという理念のもとで開設をしたと聞いています。

 しかし、当時は精神科医療に対して少なからず偏見があり、病院開設にあたっては、かなり地域の反発もあったようです。

 「精神科であっても地域に貢献できる病院でありたい」「それを住民の皆さんに理解してもらいたい」と、比較的軽症な精神疾患の患者さんを診たり、身体疾患を伴う精神科の患者さんを積極的に受け入れたりしてきました。

 さらには地域の活動や、夏祭り、清掃活動などの行事には必ず参加するなど、長い年月をかけて地域との関わり合いを深める中で、少しずつ偏見がなくなり、今では、地域の役に立てる病院だというイメージが築き上げられたのではないかと思っています。

 精神科から始まった当院ですが、2000年には新たに神経内科(現:脳神経内科)を設立しました。

 それまで私は旧国立療養所東高知病院に神経内科医として勤務していましたが、国立高知病院との統廃合により、神経難病の病棟は廃止に。その時点で大学病院に戻ってまだ経験を積みたい、という思いもありましたが、当院の医師不足の状況もあり、悩んだ末、ここに神経難病の病棟を新たに立ち上げてやっていこうと決心をしました。

―新病棟を立ち上げる際のご苦労は。

 とにかく初めてのことだ ったので、まずは看護師などメディカルスタッフとともに県外の病院へ見学に行ったり、機器の管理や病棟運営を勉強したりと、一つ一つ学びながら、神経難病の方を受け入れる「特殊疾患病棟」を始めました。

 当時は、土日もなく毎日夜遅くまで病棟に残るという日々が続きましたが、立ち上げから1、2年を掛けて、この病棟が軌道に乗り始めたころには、大学病院や他の基幹病院から長期入院先として、数多くの患者さんを紹介していただけるようにもなりました。

 特殊疾患病棟への入院の順番待ちも生じるようになったため、医療療養病棟にも重症患者の受け入れを始めました。今では両病棟の稼働率は95%以上を維持しています。

 神経難病の病棟が軌道に乗る一方で、院内で精神科の割合が減ったことへの不安の声が上がったこともありました。その折にはきちんと説明を行い、病院の目指す姿についての理解を求めました。

 現在、各診療科がうまく機能しているのは、しっかりと私と同じ方向を向いてくれたスタッフの協力があってのことだと、非常に感謝しています。

―今後の取り組みは。

 脳神経内科、、内科の各診療科の診療機能を強化し、引き続き地域の方々への貢献につなげていきたいというのが一番の目標です。

 脳神経内科では、慢性期の神経疾患とそれに伴う緩和ケアの中で、主治医だけではなく、すべての職種の人が、ご本人ともご家族ともしっかりと向き合い、QOLを重視した神経難病医療を行っていくこと。

 精神科では、専門分野の精神分析だけではなく、幅広くすべての疾患に対応しながら、じっくりと患者さんやご家族の話を聞き、温かい精神科医療を提供していくこと。

 そして内科では、日頃の健康教育や健康管理などを含めた、地域のかかりつけ医としての機能をしっかりと果たしていくこと。

 この三つのビジョンを掲げて、これから先も、長く地域のためにお役に立てる病院であり続けたいと思っています。


医療法人つくし会南国病院
高知県南国市大埇甲1479―3
☎088―864―3137(代表)
http://www.nankoku-hp.or.jp/

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